【医療経営士コラム】体制の改善を怠り「業務上過失致死」(2015.11.28)

最終更新日:2018.06.21
【医療経営士コラム】体制の改善を怠り「業務上過失致死」(2015.11.28)

先日、ある病院の院長と看護師長が「業務上過失致死」容疑で書類送検されたというニュースがありました。

病院の体制の改善を怠ったという過失があったとのこと。

 

当直だった看護師3名が同時に仮眠をとっており、人工呼吸器の警告音に気づかず、処置が遅れて男性を死亡させてしまったという疑いでの書類送検。院長と看護師長は当時病院にいたわけではないが、医療体制を構築する義務を怠ったという容疑を問われた。

看護師3名?当直医は?なぜ同時に仮眠を?

いろいろな疑問が残る事件ではありますが、医療体制の改善を怠ることで、管理者である院長が過失を問われるという部分に注目をしたいと思います。

 

当該病院の情報を調べてみると、一般病床のみの小規模病院ですが、平均在院日数は40日程度と長め。急性期病院ではなく、リハビリ期や慢性期に近い医療に携わっていたのかと予想されます。

当直時の急変などが少なく、看護師全員が同時に仮眠を取るという本来あってはならない状況でも、大きなトラブルが起こらず常態化してしまったのでしょうか。

もしかしたら十分な人員確保ができず、当直帯も看護師が業務に追われ、3人同時に仮眠をとらざるを得なかった状況もあったのかもしれません。

 

今回の事件で、体制改善を怠ったことで、管理責任を問われるということを改めて認識させられました。

医師不足が叫ばれる中、少ない人員で医療体制を構築せざるを得ない医療機関も多いのが現状です。常勤医師の採用は簡単なことではないのですが、せめて当直だけでも非常勤医師を採用するなど、貴重な医師の力を多くの医療機関に分散できるような環境がもっと広まっていけばと思います。