医師がフリーランスとして働く理由って何?

最終更新日:2017.09.26
医師がフリーランスとして働く理由って何?

皆さんは「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」というドラマをご存じでしょうか?

このドラマはフリーランスの医師をテーマにしたドラマで、多くの方がこのドラマを通して医師のフリーランスとしての働き方を知り、興味や関心を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回本記事を書かせていただいた私は2年ほど前まで名古屋支社で医師転職のエージェントをしておりました。

主に医療機関でのアルバイト求人を探している先生方を担当していたため、ドラマのようなフリーランスとして活動する医師の方とお話させて頂く機会が多くありました。

今回はそんな私の経験談を交えて、医師の方に向けたフリーランス医師の働き方やフリーランスのメリット・デメリットを全編・後編の2回に分けて解説していきたいと思います。

【フリーランスの医師】ってなに?

フリーランスとして活動する医師は、よくある健診などの非常勤アルバイトと少し違い、どちらかというと【はっきりと勤務期間にキリのある常勤医師】のような働き方をします。

しかし、フリーランス向けの求人内容を見ると、医療機関側はあくまで【非常勤】として募集することがほとんどではないでしょうか。

そのため、実際に私がお会いしたフリーランス志望の医師の方は常勤求人ではなく、非常勤求人、つまりアルバイトの求人を探している方がほとんどでした。

実際に私がお会いしたフリーランスの医師の方との面会経験を交えて、フリーランスの医師が増えている理由をいくつかご紹介していきたいと思います。

 

フリーランス医師が増えている理由

 

アルバイト求人の増加

2004年の初期臨床研修の制度変更で、初期研修医のアルバイトが禁止されました。

以前の初期研修医はアルバイトをすることが当たり前で、病院の当直や、健診機関の健診業務等は、初期研修医がアルバイトでしていることが多かったと聞きます。

この初期研修医のアルバイトが禁止されたことで、世の中に出てくるアルバイト求人が大きく増加したと考えられます。

また、よく言われている通り、初期臨床研修の制度変更は、大学の医局員を減らしました。大学から派遣を受けていた医療機関からも、多くの求人が出るようになり、「医師のアルバイト」という一つの市場が始まっています。

地方の場合、交通費を全額支給する求人もあるため、遠出や旅行が好きな医師の方は半日勤務をした後、観光をして帰ってくるといったケースもよく見られるようになりました。

常勤で勤務していた医療機関を定年退職した医師の方が、空いた時間に健診のアルバイトをするなど、多種多様な働き方が出来るようになりました。

また、健診・内科外来・コンタクト外来・美容外科・訪問診療など、1人で複数の科目のアルバイトをしている医師の方もいらっしゃいました。

複数の科目で勤務し、多種多様な経験が出来るというのはフリーランス医師、非常勤アルバイトの一つの魅力と言えるかもしれません。

 

医師キャリアの流動性

2004年の初期研修制度の変更が、大学の医局員の減少をもたらしたことは前述の通りですが、その影響で、医師のキャリアに流動性が生まれました。

大学医局でキャリアを積むのが当たり前だったが、民間の病院を渡り歩いてキャリアを積むような先生も増えてきました。

医師キャリアが流動性をもったことで、フリーランス勤務についての障壁も取り除かれ、「働く時間を自分で決められる」という魅力にひかれてフリーランスになる医師の方が増えたと考えられます。

 

女性医師の増加

女性医師の割合も年々増えています。

平成24年の古いデータですが、女性医師の割合は19.7%。但し若い世代ほど女性医師の割合が多く、20代だけで見ると、女性医師は30%を超えています。

女性医師の割合が増えたことで、出産・育児を機にフリーランスになる医師も増え、フリーランスでの働き方が、浸透していったという影響も見過ごせません。

 

開業準備中、空いた時間で勤務

過去に自身のクリニック開業する予定で、1年ほど前に常勤の勤務先を退職し、フリーランス医師として勤務しながら、開業準備に着手するスタイルを取りたいと、医師の方からご相談を受けた経験があります。

開業準備中、医療機器や開業支援コンサルタントなど多くの業者との打ち合わせや、開業するにあたって必要な手続き等が多いため、常勤医師として働きながら開業準備を進めるのは難しく、フリーランスとして働き、生活費の補填をする医師の方は少なくないようです。

また、開業予定のクリニック近辺のエリアにある医療機関とのコネクションおよび友好関係を事前に構築しておくために、フリーランスとしてその医療機関での勤務を希望する医師もいらっしゃいました。

このように、開業を考えている医師にとって、開業準備中にフリーランスとして勤務する事は多くのメリットがあるようです。

 

ボランティアに精を出す医師の方も

ボランティアやNPO法人の活動を主体としながら、非常勤アルバイトで収入を得ている医師の方もいらっしゃいました。

医師として働いていたが、新たなキャリアとして医師以外の道を選ぶ方も多く、決して稀有なケースではございません。しかし、ボランティア事業だけでは生計を立てる事は難しいため、フリーランスとして空いた時間に勤務したいと医師の方からご相談を受けた事があります。

 

海外留学中で、一時帰国時に勤務

稀なケースではありますが、海外留学中の医師の方が、一時帰国の短い期間で収入を得るために、非常勤アルバイト勤務を希望する方もいらっしゃいました。

海外留学中は無給である事がほとんどのため、一時帰国中にアルバイトで少しでも稼いでおきたいというニーズがあります。

2週間ほど期間がある場合、フルタイムで非常勤アルバイトを詰め込む事が出来れば、100万円近くの収入を得る事も可能でしょう。

 

まさに【ドクターX】

ドラマのように、全国様々な医療機関で勤務、オペを担当し、全国の患者のかかりつけ医師として活躍する医師の方もいらっしゃいました。

しかし、このケースは非常に稀なケースでしょう。本来、オペなどの長期的な術後管理が必要な業務がある場合、常勤医師が担当する事がほとんどで、アルバイトの医師がオペを担当する事は麻酔科医以外ほぼないでしょう。

脳神経外科など、専門性が極めて高いオペスキルを求められる場合、全国的に有名な執刀医に依頼を行うといったケースがあります。

一般的に「フリーランス」という言葉を聞くと「様々な場所を転々として、バリバリ稼ぐような働き方」をイメージされるかと思いますが、医師に関しては、【本業もしくは本分の合間の時間にアルバイトとして勤務する】という形が実際のようです。

また、中には職場の人間関係が自身に合わなかったり、医療機関という大きな組織の中で息苦しさを感じてフリーランスという道を選ぶ医師の方もいらっしゃいます。

無理をし過ぎて過労や精神的疾患を抱えてしまうなど、医師という仕事は身体的・精神的に非常に体力を要する職業です。

時間や職場での余計なストレスを感じずに、フリーランスの医師として活躍するのも一つの道であり、医師だからこそ出来る働き方ではないでしょうか。

 

フリーランス医師が多い診療科はどこ?

フリーランスとして活躍する医師はどの診療科が多いのでしょうか。

「ドクターX」に登場する主人公は外科医でしたが、外科以外でもさまざまな診療科の医師がフリーランスとして活躍しています。

その中でも代表的なのが麻酔科医です。

元々、麻酔科は慢性的な医師不足が問題となっており、一人当たりの業務量が非常に多い診療科です。医師数が少ない事に加えて、麻酔技術は手術をする上で必ずと言っていいほど必要となるもので、当直や救急対応など、麻酔科医に求められる業務は非常に多いです。

こういった背景から、常勤医師の足りない業務量を補填するために非常勤での求人を募集する医療機関も多いようです。

以上、フリーランスで働く理由やその魅力についてご紹介して参りました。肝心の収入面について後編は「フリーランスで働く医師の年収っていくら?デメリットはある?」で解説致します。

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