雇用形態から見える医師の働き方

最終更新日:2017.09.14
雇用形態から見える医師の働き方

常勤の働き方

厚生労働省医政局の要綱では

1週間に32時間以上の勤務を行う医師を「常勤」とする

(引用:厚生労働省 常勤医師等の取扱いについて

と定められていますが、医療機関によって独自の規定を設けており、「短時間正規雇用」という制度を導入している医療機関もあります。

常勤医師は外来診療・病棟管理を始め、患者の状態によって手術も行うため、その業務内容は多岐に渡ります。ほとんどの医療機関が主治医制を取っているため、患者の症状に適した処置を随時行っていく必要があります。

 

常勤のメリット

どんな職業でも共通しますが、正規雇用によって安定した収入・福利厚生を享受出来る事が一番のメリットでしょう。

学会によっては専門医資格の取得条件に認定施設にて【常勤で】勤務する事を課している場合もあります。そのため、専門医資格を取得するために転職するといったケースも少なくありません。

 

常勤のデメリット

患者の急変対応

主治医制がある以上、患者の急変時は主治医が早急に対応する必要があります。医療機関によって急変時は当直医が担当するなど、診療時間外の対応をきちんと区別している場合もありますが、基本はすぐに駆け付けなければなりません。いつ何時も心が休まらない、オンオフの切り替えがうまく出来ないのが常勤医師のデメリットと言えます。

 

当直

医師にとって当直業務は働きやすさを判断する上で非常な重要な要素と言えるでしょう。

医療法では入院設備のある医療機関は必ず医師を常駐させなければならないと定められているため、医師として働く上で避けて通る事は出来ません。

医師の当直勤務については下記の記事で詳しく解説しております。

以上、常勤のデメリットとして患者の急変対応や当直について触れてまいりました。

これらから常勤医師は業務量が多い事がネックとして挙げられます。

 

非常勤の働き方

非常勤医師といっても大きく分けて「定期」と「スポット」という二つで分けられます。

どちらも決まった医療機関に属さず、正規雇用ではないため、福利厚生はありません。しかし、常勤と比べて非常勤は時間に融通の利く働き方が出来るため、女性医師が産後復帰や、育児で常勤の勤務が厳しい時などにぴったりの働き方です。

職場によっては常勤と非常勤の医師間で情報共有や交流会などを行い、業務を効率よく快適に進められるよう工夫している所もあります。ここでは、定期とスポットの非常勤についてメリットとデメリットを説明しています。

 

定期

曜日固定で週に数回勤務する雇用形態を指します。定期で複数の医療機関を担当し、生計を立てている医師は少なくありません。また、転職時に最初から常勤で勤務せずに、まずは定期で勤務してみて自分に合っているかどうか判断するといった利用方法もあります。実際に弊社の紹介経験の中に定期から常勤に雇用形態を変更したケースもあります。開業ノウハウを学ぶため定期でクリニックに勤務する、複数の医療機関を掛け持ちしたりする医師もいます。

 

メリット

定期の非常勤のメリットは、なんといっても時間の自由が利くことです。常勤医師と違って一般外来などを任される事が多く、診療時間外の対応は常勤医師が対応するため、仕事とプライベートのオンオフは付けやすいです。当直業務もありません(但し、当直専門のアルバイトもあります)。また、アルバイトといっても給与は高いため、うまくスケジュール調整が出来れば常勤並の収入を得る事も可能です。

週に数回の勤務のため、人間関係も気にせず勤務ができます。高額の時給や日給を提示している医療機関を選べば、常勤よりも年収が多くなるケースもあります。

 

デメリット

正規雇用ではないため、福利厚生を受ける事が出来ないのと、確定申告を自分で行う必要があるのが面倒な点でしょう。また、医療機関の経営方針によって打ち切られてしまう不安はどうしても拭えません。

定期医師は一般外来などの専門分野での勤務があまりない事も特徴として挙げられます。医師としてスキルアップ・キャリアアップしたいとお考えの方には不向きな雇用形態かもしれません。

 

スポット

「スポット」の非常勤とは、固定ではなく、【その日だけ】勤務する形態を指します。一般外来が多いですが、他には当直や予防接種、健康診断などの【高いスキルを必要としない基本的な業務】を主に行います。常勤医師が研究日や休日の空いた時間に勤務し、給与の補填を行っているケースも多いです。

 

メリット

空いた時間に勤務出来るという点が最大のメリットでしょう。基本的な医師スキルがあれば出来る業務が大半のため、条件さえ合えば気軽に応募する事が出来ます。

また、関心のある医療機関に下見としてまずはスポットで勤務し、雰囲気、その医療機関の経営方針などから良い・悪いの判断をする医師も多いです。

 

デメリット

定期の非常勤と同じく、福利厚生は期待できません。したがって、保険や年金、確定申告などは全て自分で管理をすることになります。スポットを利用する多くの医師が常勤もしくは定期勤務以外の空いた時間でのスポットを利用しており、スポットのみで生計を立てている医師はあまり多くありません(※ただし、家事や育児の合間に勤務する女性医師などは多くらっしゃいます)。そのため、医師にとってスポットのデメリットはあまりないのかもしれません。
 

年収を上げたいならこちら

ここまで、医師の雇用形態についてメリット・デメリットを紹介してきました。これらを踏まえて、医師の希望別に職場の選び方や雇用形態などを見てみましょう。

年収アップを考えているのであれば、以下の方法が有効でしょう。

  • 地方の医療機関へ転職
  • 専門医資格を取得し、キャリアアップを図る
  • 常勤とは別にスポット勤務で収入アップを狙う

地方の医療機関の求人の特徴として高年収が挙げられます。これは医師不足が理由で高い給与を出してまでも医師を獲得したいというのが狙いです。

中には年収1,800万円以上を確約している求人もあります。単純に高年収を得たいのであれば、このような高年収の求人に応募するのが一つの手でしょう。

しかし、高年収という事はそれなりの業務量・スキルを求められるという事です。QOLも重視したいのであれば、この年収アップ方法は不向きでしょう。

次に、資格を取得する事でより専門性の高い業務あるいは業務の幅を広げ、キャリアアップを狙う事も一つの方法でしょう。同じく求人サイトには専門医資格の有無などを応募条件としている求人も多いです。

高いスキルを求める以上、それなりの年収も約束されているため、長い期間を要しますが、年収アップのために資格取得を目指すのは確実でしょう。

先に申し上げた通り、常勤業務とは別に休日や寝当直を利用して収入を上げる医師も多いです。休日を犠牲にしてスポット勤務をするため、ご自身の体力面との相談になります。

最も簡単な方法ではありますが、医師の仕事は一歩間違えば患者の命を左右しかねません。

些細なミスが医療ミスにつながり、医療訴訟になりかねません。ゆえに、無理のないスケジュールでスポット勤務をするようにしましょう。

 

スキルアップをしたいならこちら

医局に属する医師の場合は、海外留学でスキルアップを図る方法があります。また、関連の医療機関で多数の症例を経験し、資格取得に励むのも大切なスキルアップです。

今の勤務先に資格の研修制度がない時には、他の医療機関を探すのも1つの方法です。培ってきたスキルを生かし、思い切って転科をするという手もありますが、いずれも正規の雇用で働く医師に限られます。

最近では、訪問診療で幅広い治療を行う医師の求人が増えているため、知識を広げてスキルアップするという方法もあります。

運よく非常勤として高度な施設や技術を持つ医療機関で働ければ、スキルアップに繋がることも考えられます。

QOLを向上したいならこちら

最後に、QOLの向上を目指す場合の雇用形態などを考えてみましょう。人によって適切と感じる仕事量は異なります。

  • 仕事量が多くて辛い。もう少し仕事の負担を減らしたい
  • 仕事は多くても良いが、休日はきちんと確保したい
  • 子供がいるため、時短勤務がしたい

上記に挙げた理由はほんの一部でQOLを重視する理由は人によってさまざまで、それぞれに理想のQOLの形があります。

「医師は忙しい」「人の命を救う仕事だから忙しいのは当たり前」というイメージが従来からありますが、医師だって一人の人間です。プライベートを重要視した働き方もあってもいいのではないでしょうか。

以下にQOLを重視した医師の働き方をいくつか提案致します。

  • 当直、オンコールなし勤務
  • 定期、スポットで自由な時間に勤務
  • 週4日勤務

やはり勤務時間にメリハリをつける、時間外労働を減らす働き方がQOLを向上させるポイントでしょう。

特に医師にとって当直勤務がないだけでも負担は大きく減るでしょう。また、週4日勤務も休日を多く確保できるため、魅力的でしょう。

実際に当直なし勤務、週4日勤務の求人をご用意致しましたので、こちらをご覧ください。

 

いかがでしたでしょうか。本記事では医師の雇用形態について説明し、年収・スキルアップ・ワークライフバランスのそれぞれの目的に合った働き方を提案してまいりました。

本記事を見て今後の働き方の参考になった方もいれば、参考にならなかった方もいらっしゃると思います。

弊社では、ご登録頂いた会員医師様に対して必ず面会を行っており、それぞれの転職ニーズに合わせ、最適な求人を提案しております。

また、弊社は医療機関とも多くのつながりを持っており、会員医師様の希望に合うような求人を医療機関側に提案し、オーダーメイドの求人作成を行っております。

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