【地域別】医師の働き方比較!

最終更新日:2017.09.05
【地域別】医師の働き方比較!

いまさら聞けない医師偏在の「原因」

医師の転職を考える際、多くの方が「勤務地をどこにするのか」という事を考えるでしょう。

周知ではございますが、医師偏在による地方の医師不足が深刻な問題となっており、地方の医療機関は医師を獲得するために高額な求人を紹介会社を通じて掲載しています。

日本医師会勤務医委員会の見解では、医師偏在の原因を以下のようにまとめています。

  • 医師数抑制政策
  • 医療費抑制政策
  • 医療事故責任追及への恐れ
  • 新医師臨床研修制度
  • 医師と社会との間の医療に対する認識のずれ
  • 若者の価値観の変化
  • 勤務医の過酷な勤務実態

この中でも特に大きな理由として示されるのが、新医師臨床研修制度です。

この制度が導入されたことにより、研修医は医局に所属せずとも、研修先を自由に選ぶことが出来るようになったため、地方への医局派遣が困難になった事が最も考えられる原因と言えるでしょう。

地方の医師不足を解消するための取り組みとして、医学部の教育制度の改正や、ITを利用した遠隔医療などが考えられています。しかし、現時点では法律の整備や診療報酬上の問題などが検討されている状況で、肝心の医師偏在を解決できる日はまだまだ先でしょう。

このまま医師の偏在が続けば、高齢化社会での医療提供の停滞が目に見えており、社会全体に歪みが出ることが予想されます。

 

各地域の医師偏在具合を調べてみた

ここでは、医師数からわかる医師の地域偏在と、求人数から見る医師の地域偏在を順にご紹介します。

 

医師数

各都道府県の人口10万人に対する医師数リストを見ると、人口10万人に対する医師数が最も少ない3県は

埼玉県 148.6人
茨城県 166.8人
千葉県 170.3人

 

と報告されていますが、この数字は本当に正しいのでしょうか?

平成26年(2014年)時点の医師数と都道府県の人口から医師1人当たりが診る患者数を算出し、比較してみます。

 

医師一人
に対する
患者数

医師数 県内人口
埼玉県 682 10,689 7,288,081
千葉県 590 10,584 6,240,408
千葉県 587 4,954 2,907,262

 

このように上記3県は圧倒的に医師が少ないというわけではない事が分かります。しかし、人口が非常に多いため、医師数が不足している事が分かります。
 

対して、人口10万人に対する医師数が最も多い3県は

徳島県 304.0人
東京都 303.7人
京都府 302.3人

 

となっており、こちらも同様に計算を行ってみます。

  医師一人
に対する
患者数
医師数 県内人口
東京都 341 39,965 13,636,222
京都府 327 7,968 2,605,731
徳島県 314 2,388 750,210

 

この結果から、東京都や京都府など、やはり都市部に医師が集中している傾向があることが分かります。

 

求人数

弊社サービス「Dr.転職なび」に掲載されている求人情報を地域別でまとめましたので、ご覧下さい。

北海道および東北地方

求人数が多い地域は北海道で、特に郊外が勤務地の求人数が多くなっています
次いで福島県、岩手県の順に求人数が多く、岩手県では郊外からの募集が多い状況です。

合計求人数 459件
求人掲載年収 1,470~2,140万円
掲載求人が多い診療科目

一般内科
消化器内科
整形外科
循環器内科 etc…

 

関東地方

求人数が最も多いのは東京都、次いで埼玉県、千葉県となっています。
こちらの3地域は都心部からの求人が非常に多くあります。対して茨城県や栃木県、群馬県は郊外の募集が多くなっています。

合計求人数 826件
求人掲載年収 1,390~2,050万円
掲載求人が多い診療科目

一般内科
整形外科
消化器内科
循環器内科 etc…

 

中部地方

求人数が最も多いのは愛知県、次いで静岡県、長野県となっています。
中部地方はどの地域も圧倒的に郊外からの募集が多い状況です。

合計求人数 544件
求人掲載年収 1,360~1,800万円
掲載求人が多い診療科目

一般内科
整形外科
消化器内科
リハビリテーション科 etc…

 

近畿地方

求人数が多いのは大阪府、次いで兵庫県、京都府となっています。
勤務地は郊外の募集が多くなっています。

合計求人数 595件
求人掲載年収 1,150~1,730万円
掲載求人が多い診療科目

一般内科
整形外科
消化器外科 etc…

 

中国および四国地方

求人数が最も多いのは愛知県、次いで静岡県、長野県となっています。
中部地方はどの地域も圧倒的に郊外からの募集が多い状況です。

合計求人数 338件
求人掲載年収 1,380~1,820万円
掲載求人が多い診療科目

一般内科
整形外科
消化器内科 etc…

 

九州および沖縄地方

求人数が最も多いのは福岡県で、次いで沖縄県、熊本県の順になっています。
勤務地は郊外での募集が圧倒的に多い状況です。

合計求人数 388件
求人掲載年収 1,310~1,650万円
掲載求人が多い診療科目

一般内科
整形外科
消化器内科 etc…

 

医療機関の数が多い地域は求人数も多くなりますが、そのほとんどが郊外からの募集であることがわかりました。

診療科は、一般内科を標榜する医療機関の数に比例して内科の求人が多い状況です。整形外科や消化器内科が上位に挙がる点から、国内全体で高齢者の受診が増加していることが推測されます。

最後に、転職の際に気になる年収も併せて見てみましょう。2,000万円以上の高額を提示している医療機関の背景は、緊急性を要するもの、新規オープンのための求人、高齢化に向けての体制強化という理由が多く見られます。

一般内科に関して地域別に調べると、2,000万円以上の高額を提示している医療機関は北海道が多く、他の地域では山形県、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、沖縄県などが挙げられ、地方の医師偏在を掲示年収からも把握することが出来ます。

 

都市圏で働くメリット

ここまで、医師の偏在について考え、地域別の医師数や求人の状況を見てきました。次に、医師が転職する際、都市圏を選んで働くメリットを考えてみます。

ご紹介したように、関東地方では圧倒的に東京都の求人が多くなっています。転職して都市圏で働くメリットとしては、下記のような内容が挙げられます。

  • 医療機関の数や種類が多く、大規模・最先端の施設もある
  • 患者数が多く、豊富な症例数を経験できる
  • 1つの医療機関に対し医師数が多いため、業務が分散できる
  • 医療機関同士、医師同士の繋がりが多岐に渡る
  • 常に仕事があるため頭を使いモチベーションが上がる
  • 休日の楽しみ方が多彩で、店舗や交通機関も便利
  • 若い医師は結婚相手を探しやすい

特に若い医師が転職する際には、専門医の資格取得、学会や勉強会などのスキルアップだけでなく、プライベートの充実も図りたいと考えることが多いでしょう。

都市圏は話題のスポットにもすぐ行けるため、ハイレベルな仕事とプライベートを追求したい医師に向いています。

地方勤務にもメリット、あります!

一方で、転職して地方で働くメリットはどのような内容があるのでしょうか。特に医師不足の地域に転職する際は、都市部と違ったメリットが数多く挙げられます。

  • 都市圏より年収が高い医療機関が多い
  • 求人の種類が多く、有利に転職を運べる可能性もある
  • 住宅の用意など福利厚生が充実している求人もある
  • 医師が少ないからこそ貴重な症例を経験できる
  • 医師不足のため昇進する時期が早まる
  • 家賃をはじめ、生活必需品の物価が安い
  • 患者や地域との繋がりが強くやりがいを感じられる
  • Uターンの場合は地元の基盤や信頼感がある
  • 景観が良く空気もきれいなため気分転換ができる
  • 条件を選べば引退までQOLを重視した勤務が可能

医師不足地域では医師としてのキャリアを形成しにくい、といった意見をお持ちの方も中にはいらっしゃると思いますが、だからこそ多くの症例を経験する事ができ、医療スキルを高める事が出来ると言えるでしょう。
医師としてのキャリア形成に悩んでいる、自身のスキルを伸ばしたいとお考えの方は地方での勤務が今後のキャリアで有益となるかもしれません。

都市部の医療機関ではその患者数から医師数が多く、人間関係に苦労する医師も中にはいるようです。医師の人間関係について詳細を知りたいという方は、こちらの記事もご覧になってみてはいかがでしょうか。

また、元々都市部で勤務していた医師がワークワイフバランスの調整のために地方の医療機関に転職するといったケースもございます。

今回は都市部ではなく、地方に着目し、Dr.転職なびで扱っている地方の求人を抜粋致しましたので、ご紹介致します。〔平成29年7月現在〕

・北海道
・院長職
・週3日勤務
・当直なし勤務OK
・夏季休暇5日あり

ポイント:一戸建てを無償で貸与

・愛知県
・当直なし勤務OK
・夏季・年末年始休暇
・3万円までの保育料補助

ポイント:院内の風通し良好

・島根県
・土日休み
・当直なし勤務OK

ポイント:専門医取得可

・沖縄県
・離島での勤務
・リゾート地でのゆったり勤務

ポイント:年収2,000万円以上

 

今回は、転職を考える医師に向けて地域別の働き方を分析し、数値から見る医師の地域偏在、地方で働くメリット、実際の求人情報などをご紹介しました。
転職の際は、無料で登録・相談ができる転職エージェントをぜひご活用ください。

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