精神科の専門医資格の取得は難しい!?精神科の専門医制度についてまとめてみた

最終更新日:2017.09.12
精神科の専門医資格の取得は難しい!?精神科の専門医制度についてまとめてみた

 人間の心や反応、悩みなどは、いくら勉強してもしきれない、いくら調べても解決しきれない部分が多くあり、それらが一層興味を引き、さらに掘り下げたくなる――精神科医の多くは、そう語ります。

真の意味で「人間を診る」ことは、精神科にしかできない醍醐味と言えるでしょう。

今回は、精神科の専門医について取り上げ、指定医との違いや認定試験の概要や合格率、専門医取得のメリットや研修施設の探し方などをお伝えします。

「専門医」と「指定医」

まずは、精神科医の資格である「日本精神神経学会専門医」と「精神保健指定医」の違いについて説明しましょう。

「日本精神神経学会専門医」とは、日本精神神経学会が認定する専門医の制度で、精神医学や医療に関して定められた実務経験を持ち、専門性の高い知識や技能を確かめる審査に通過した医師に与えられる資格です。

専門医は、経験豊富な精神科医を養成して適切な診断と治療を行い、患者が信頼できる医療を提供することが目的です。

平成29年(2017年)4月の時点で、日本精神神経学会の専門医は10,972名が登録されています。

精神科医の専門医制度は医学系の基幹学会の中で最も遅く、平成17年(2005年)にスタートしました。

もともと厚生労働省が認定する「精神保健指定医」の制度があるため、実務上は大きな差がなく進められてきました。今後は「専門医」と「指定医」の整合性を図り、専門医の機能をさらに生かすことが重視されています。

精神科医の専門医制度は、平成26年(2014年)の日本専門医機構の発足により、複数の施設での研修を義務付けるなどいくつかの変更点が挙げられています。

次に、「精神保健指定医」について説明しましょう。

精神保健指定医とは、精神保健福祉法第18条に基づいて厚生労働省が定めている資格です。

指定医は法的な権限を持つため、重い精神疾患を持つ患者の強制入院や行動制限などの判断を下すことができます。

精神科の医療機関には、指定医の配置が義務付けられています。

指定医は、定められた実務経験がある精神科医が所定の受講とレポート提出を行い、審査に合格すると資格が得られます。

 

日本精神神経学会専門医取得の条件、受験資格、合格率、ポイント、取得後の更新        

それでは精神科の専門医資格の取得について具体的に見ていきましょう。

まず研修を受けるためには、「研修手帳」の購入が必要です。

そして、同封されている「研修開始申請書」を日本精神神経学会の専門医研修委員会に提出します。

一般的には、初期臨床研修が終了した卒後3年目から提出できます。

指定された医療機関で3年間の研修が終了したら、専門医の認定試験を受けられます。

受験資格は精神科専門医制度規則第 6 条により、

(1) 日本国の医師免許証を有するもの

(2) 精神科臨床研修開始時に学会員であるもの

(3) 5 年以上の臨床経験を有するもので、第 9 条に規定する研修施設において施行細則に定める研修ガイドラインにより、精神科臨床研修を 3 年以上受け、その課程を修了したもの(なお、上記の研修を開始するものは研修開始申請書を学会に提出のこと)

(参照元サイト:公益社団法人 日本精神神経学会

とされています。

資格を満たしている精神科医は、認定試験に必要な申請書類や症例をまとめたレポートなどを提出します。例年では4月1日~31日が提出期間になっています。

レポートはICD-10を基準とした内容なので、臨床の記述や診断のガイドラインが記載された書籍を参考にすると良いでしょう。

受験者の手引きも熟読し、提出忘れが無いように注意してください。

その後、5月~6月にかけて書類審査が行われ、パスした医師には筆記試験と口頭試問の期日が伝えられます。

平成29年(2017年)の筆記試験は、7月16日(日)に全国3会場で予定されています。認定試験の結果は、9月に入って通知されます。

次に、精神科専門医認定試験の受験者数や合格率を見てみましょう。

認定試験の受験者数は、年々増加しています。

学会の発表によると、平成28年(2016年)の受験者数は618名、うち合格者数は442名で、合格率は71.5%でした。平成24年(2012年)以降、認定試験の合格率は70%台を変動しています。

(参照元サイト:公益社団法人 日本精神神経学会

認定試験は、領域別の基礎的な内容と臨床上重要である知識に加え、近年では医学の進歩に伴って新しい内容も出題されています。

過去問を利用し、幅広い知識の取得のためにも参考文献として紹介されている資料にも目を通すと良いでしょう。

さらに臨床で培ってきた経験や症例、知識などをまとめておき、試験に臨むことをおすすめします。

また、専門医の資格の有効期限は5年間なので、その都度更新が必要です。

更新の対象になる医師には学会から申請書類が届くため、期日までに提出してください。

なお、今後は日本専門医機構の新制度に基づいた更新になります。

勤務実態の申告をする書類や、診療実績の証明として5例分のレポートの提出と、50単位分の講習の受講が必須になります。

 

精神科の専門医資格は人気?精神科で勤務するには重要

精神科は、特に内科などの他診療科からの転科が多いことでも知られています。

転科してきた医師は、元々精神科を選択している医師よりもはるかに専門医の資格取得に熱心です。

精神科の求人数は安定して多く、精神科の医師の数よりも上回っている状況です

精神科の求人を見るとほとんどが専門医や指定医を条件としていることが多く、さらに専門の領域を指定する医療機関もあります。

したがって、精神科の専門医や指定医の資格があればスムーズに職探しができるだけでなく、年収の交渉も有利になるでしょう。

精神科の専門医の資格としては、「日本精神神経学会専門医」の他に「日本精神科医学会認定認知症臨床専門医」「日本精神科医学会精神科臨床専門医」「心療内科専門医」「日本精神神経学会精神科専門医」「日本老年精神医学会専門医」などがあり、精神科だけでも多くの種類の専門医資格があることがわかります。

現在のストレス社会では、一見元気そうに見える人でも不安や悩みを抱えています。

精神科の医院、クリニックの増加や世間の精神病に対する考え方が変化したことから、敷居が低くなり、精神科を訪れる患者数は増加しています。

患者の話をゆっくり聞き、寄り添った丁寧な治療ができる精神科医は、今後の日本になくてはならない存在ではないでしょうか。

 

精神科専門医の研修施設を探すには

資格取得のために指定された研修施設では、研修のガイドラインに従って3年間のプログラムが組まれています。

研修施設の例を紹介すると、1年目は指導医がマンツーマンで外来、病棟の診察、当直の指導を行い、勉強会や講習などを受講しつつ、様々な領域の臨床に関わっていきます。

2年目は勉強会の他、週1回の外来も割り当てられます。

また、指導医の指示の下で入院患者の主治医を担当し、患者だけでなく家族への対応など幅広い経験を積みます。

3年目は関連施設での外来や訪問診療も経験し、地域の医療にも関わり実務的な内容を学びます。

学びやすい研修施設を探す際、まずは気軽に転職エージェントに相談してみましょう。

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転職エージェントは、専門医の資格取得を目指す精神科の医師の先生方を応援しています。

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