常勤の耳鼻咽喉科医が転職する際に知っておくべき事

最終更新日:2017.09.05
常勤の耳鼻咽喉科医が転職する際に知っておくべき事

 耳鼻咽喉科を選んだ医師の多くは、急性の疾患から頭頸部の腫瘍などの重い症状まで幅広く、内科的な要素も持ちながら手術も行える点が魅力と言います。

今回は暮らしに身近な耳鼻咽喉科にスポットを当て、耳鼻咽喉科医のキャリアステップや働き方、転職の動向や年収、必要になるスキルや転職の際のポイントなどをまとめました。

耳鼻咽喉科医のキャリアパス・転職動向

耳鼻咽喉科は、他の科に比べて研修1年目でもできる内容が幅広く、一人前の技術を身に付けるのが比較的早いと言われています。

簡単な症例を数多く経験すれば、だんだんと自分の得意分野を見定めて行けます。

耳鼻咽喉科医になるには、研修と平行して学会の発表や留学の経験などを積み、「日本耳鼻咽喉科学会専門医」の資格を目指すことから始まります。

さらに経験を重ねて「専門研修指導医」の申請もできます。

耳鼻咽喉科の範囲は広いため、「日本聴覚医学会」「日本めまい平衡医学会」「日本鼻科学会」「日本小児耳鼻咽喉科学会」「日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会」など15以上の学会の中から自分の興味ある分野を選び、専門性を高めていきます。

将来は研究を深めて教授の道に進む、指導医として各病院のリーダーや院長を目指す、またはクリニックの開業など幅広い活躍が期待できます。

耳鼻咽喉科は、医師全体の中でも少人数の科です。平成16年(2004年)に新医師臨床研修制度(スーパーローテート)が導入されてから耳鼻咽喉科を選ぶ医師が減っており、全体の医師数が増えてきている最近でも耳鼻咽喉科医の数は横ばいの状態です。

厚生労働省が平成26年(2014年)に発表した「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、耳鼻咽喉科医の数は9,211人、平均年齢51.9歳と報告されています。

その中でも病院に勤務する耳鼻咽喉科医は3,741人、診療所の医師は5,470人で、全体の2割が非常勤医師という結果が出ています。

耳鼻咽喉科専門医の数は、平成25年(2013年)8月の時点で8,542名です。

しかし、国内では高齢化が進み、聴覚や味覚、嚥下などの機能障害や、悪性の腫瘍を抱える患者が増えています。

また、突発性難聴やメニエール病、花粉症などのアレルギー症状も増加していることから、今後は耳鼻咽喉科医のニーズが高まり、医療機関の増加も予想されます。

転職先の選び方としては、専門性を高めるために高度な設備を兼ね備えた機関で手術を中心に行う方向と、外来で広範囲の症例を診る方向に分かれます。

大規模な医療機関では専門的な仕事ができる一方で患者との接点が減り、市中病院では手術は少ないが患者とゆっくり関わることができるなど、特徴が分かれるため、今後のキャリアを考えた選択が大切です。

耳鼻咽喉科医の働き方は、長時間の手術および当直やオンコールが有る職場や、外来のみの対応、曜日や時間を選んで働く非常勤など、様々です。

出産を終えた女性医師が復帰しやすい環境を用意している医療機関もあります。

耳鼻咽喉科医は案件が少なめですが、大規模病院や地域の中核病院、クリニックなどで、新規開設による募集や欠員のための求人などが出ています。

 

耳鼻咽喉科医の平均年収は?

耳鼻咽喉科医の平均年収はおよそ1,200万円~1,400万円という層が一番厚く、次いで1,000万円~1,200万円くらいが相場になっています。

ある程度の経験年数で報酬が決まりますが、関西地方では給与の水準が高い傾向が見られるなど、地域によって多少の違いがあります。

首都圏では、1,200万円~1,800万円くらいの範囲で募集が多く見られますが、時間外手当や当直などの数によっても変動します。

院長職の募集の場合、年収2,000万円くらいの求人があります。

しかし、あまりに高い額を提示している場合は背景をよく調べてから応募しましょう。

耳鼻咽喉科は件数に比例して収益が変化するため、基本的には患者が多い医療機関を選べば収入アップが見込めます。

 

これからの耳鼻咽喉科医に求められるスキル

耳鼻咽喉科医が転職する際には、専門医の資格があれば有利に進められます。

資格取得に向けて転職をする若い医師も多く存在します。

資格を取る場合は、専門医の認定施設であるか確認も行いましょう。

総合病院などで手術をメインに行う場合は、診断から治療、検査、手技や術後の管理などのスキルが求められます。

声帯ポリープや、頭頸部、甲状腺の腫瘍手術、医療機関によっては人工内耳手術や頭蓋底手術など高度な症例を扱う所もあります。

さらに耳科学や鼻科学、形成外科や頭頸部、無呼吸や補聴器といった専門分野がある耳鼻咽喉科医は歓迎されます。

転職の際は得意分野と手術件数や症例、レーザー治療の経験などをまとめておきましょう。

外来を中心に行う場合は、地域によって患者層が異なります。

郊外の医療機関では高齢者や子供が多いために、人柄やコミュニケーション力も重視されます。特に小児の対応が大切で、保護者から「良い先生がいる」と紹介され評判が高くなるケースもあります。

 

耳鼻咽喉科の転職でのオススメ求人

耳鼻咽喉科医が転職を考える際に、よく聞かれる声の一部を紹介しましょう。

  • 耳鼻咽喉科医の不足で激務がこたえる
  • 診療時間外の勤務が多く家族との時間が少ない
  • 将来の開業を目的にクリニックで経験をしたい
  • 地域密着型の医院で患者をゆっくり診たい
  • 育児と仕事を両立できる職場を探したい

このような希望に沿った転職先をスムーズに見つけるには、入念な情報収集が必要です。

便利な医師専門の転職サイトやエージェントへの登録を行えば、経験豊かなスタッフが丁寧にサポートしてくれるため、忙しい業務と平行して職探しができます。

また、転職の際に押えておきたいポイントは

  • 症例数や領域
  • 外来数と患者の層
  • 医療機器の設備や手術の体制
  • 指導体制、教育方針
  • 担当業務の詳細
  • 在籍する医師の情報
  • 大学の医局からの派遣状況
  • 日帰り手術を行っているか
  • >専門医認定施設かどうか
  • 経営母体や募集の背景
  • 大規模病院では麻酔科の在籍

などがあります。実際に転職先を決めるには、特に患者の層や手術がどの程度できるかを重点的に調べておきましょう。

医療機関によっては、設備や人員の関係で思うような仕事ができない場合もあります。

さらに、耳鼻咽喉科医は空きが出てもすぐに埋まってしまうため、常に動向のチェックが必要です。

転職サイトでは、医療機関ごとの状況や欠員の動き、非公開の案件なども詳しく伝えてもらえるので、有利に進めることができます。

厚生労働省や環境省の調査によると、著名人が発症して公表するケースが増えた突発性難聴の患者は全国で3万5,000人以上という数字が出ています。

加えて、増加傾向にあるメニエール病は4万5,000人~6万人ほど、花粉症の患者は3人に1人の割合という報告もあります。

今後はさらに罹患数が増え、耳鼻咽喉科医のニーズも高まると言えます。

患者が回復する様子を目の当たりにできるのは大きな喜びであり、やりがいに繋がるのは耳鼻咽喉科医の醍醐味と言えるでしょう。

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