複数の専門医資格は転職に有効?転科の際の専門医資格の取得について

最終更新日:2017.09.06
複数の専門医資格は転職に有効?転科の際の専門医資格の取得について

複数の専門医資格の取得は転職を考えるにあたって有効になるのでしょうか?新制度も含めて、専門医資格について考えてみました。 

専門医資格って?

専門医は、各医師学系の学会が認定・付与しており、5年間以上の専門研修を受けた後、資格審査・試験に合格して認定されます。

複数の専門医資格を持っている医師っているの?メリットとデメリット 

 キャリア総研による専門医資格のリサーチの結果によると

  • 自分の診療科の専門医資格だけを持っている医師が38%
  • 自分の診療科の専門医資格と関連診療科の専門医資格の2つを持っている医師が21%
  • 自分の診療科の専門医資格と関連診療科の専門医資格を3つ以上持っている医師が18%

となっており、複数の専門医資格を取得している医師は全体の2割~3割程度で、ほとんどの医師が一つの専門医資格しか取得していないのが現状です。

自身のブランディングになるので専門医資格を複数持っているという医師や現在勤務している診療科で必要なため、関連する専門医資格を取得したという医師がおり、複数専門医資格を取得する理由はさまざまなようです。

デメリットの意見としては、専門医資格維持のための費用が掛かる、講習会や学会参加などの時間的制約がある、役に立たない資格もある、などという意見がありました。

診療科目によって、専門領域の関連診療科の専門医取得は知識を得るためにも有意義と考えている医師が多いのですが、資格の更新など専門医資格を維持する費用や時間が掛かりすぎるという意見も多くあります。

 

専門医資格制度変更による転科の影響

これまでの各学会の認定による専門医資格が、第三者機関である「日本専門医機構」の認定による専門医資格に変わる方向で調整が進んでいます。

ただ、2017年4月から研修が始まるよていでしたが、ギリギリになって2018年4月に延期されるなど、制度開始前からちょっとした混乱を起こしています。

予定通りにいけば2021年度に新制度による専門医が生まれることになります。

新専門医制度が予定通り実施されれば、医療の世界に大きな影響を与えるであろうと言われています。

今までは、各学会が独自の基準で専門医認定を行ってきましたが、質のばらつきが問題視されるようになり、さらに地域偏在、診療科偏在などの課題も指摘に上がっていました。

これらの問題解決のため検討が重ねられ、専門医の質、医療の質の提供を目的として、中立的な第三者機関である「日本専門医機構」が専門医の認定、養成プログラムの評価・認定を統一的に行うこととなりました。

既存資格取得者は、新制度開始後、今まで各学会が定めていた更新期間に合わせて、各学会が定めていた要件に加え、日本専門医機構が定める新基準と合わせた要件を満たすことで更新が実施されます。

新制度により、専門医取得にはこれまで以上に時間がかかるようになります。

そのため、一人前の医師になるには今までよりもさらに時間が掛かかることになります。

他科への転科の障壁が上がることも予想されています。

 

転科の為、キャリアアップの為に専門医資格を取りたいなら

今後は高齢化により、様々な疾患を抱えた患者が増える事が予想されます。

このような状況に対応するためには、複数の専門医よりも、総合的に診て診断することができる医師が求められる傾向が強くなります。

新制度の基本領域には新たに「総合診療専門医」が含まれます。

総合診療専門医は他科の専門医と連携して各科で対応できない患者を診断し、幅広い領域の疾患に対応することが可能なため、今後の在宅医療や地域包括ケアにおいて活躍が期待できる専門医資格です。

しかしながら、新専門医制度においては、総合診療専門医から進むことができるサブスペシャリティ領域が設定されていないという問題点があります。

この点が、新専門医制度を1年延期させた理由の1つともなっています。

国としては総合診療専門医を増やしていきたいと思惑がありますが、これから進路を選択する医師にとってサブスペシャリティ領域のない総合診療専門医の選択はマイナスと捉えられる可能性があります。

そのため、「日本専門医機構」と各学会の間での調整が必要不可欠です。

新専門医制度への移行により、複数の専門医を取得することの障壁は高まります。

今後の医療業界では専門医資格を複数持っている医師は減っていくと思われます。

転職の際、求人の幅が増えるため、専門医を複数所持するメリットは非常に大きいことがわかります。

ただ、資格によって費用がかかったり、講習会への参加義務が課せられる場合もあるので、その点も確認した上で専門医資格を取得すべきではないでしょうか。

今後のキャリアプランでお悩みのあなたに
気軽にキャリアのご相談してみませんか?

気軽に医師キャリアの相談をしてみる▼