常勤の放射線科医が転職する際に知っておくべき事

最終更新日:2017.09.05
常勤の放射線科医が転職する際に知っておくべき事

 平成18年(2006年)に成立した「がん対策基本法」では、がん研究の推進や治療者の育成をはじめ、がん患者に対して良質で適切な治療を行うことなどを提言しています。

高齢のがん患者が増加する中、新しい放射線照射技術は体に負担が少ない治療法として注目されています。

ここでは、ニーズが高まる放射線科医の転職の動向や平均年収、求められるスキルや転職の際に押さえておきたいポイントなどをまとめました。

放射線科医のキャリアパス・転職動向

かつて放射線科には画像診断部門も治療部門も含まれていましたが、現在では新しい撮影技術の発達により、画像診断を専門に行う医師を「画像診断医」と分けて呼ぶようになりました。

中でも中枢神経の画像診断を行う医師は「Neuroradiologist」と呼ばれます。

画像診断の部門では、臨床研修、そして放射線治療や画像診断などの研修を受けた後、「放射線診断専門医(画像診断専門医)」の資格を取得します。

さらに「IVR(Interventional Radiology)専門医」や「核医学専門医」の資格を目指す医師もいます。

一方の放射線治療部門では、画像の誘導下で行う局所治療や、放射線による低侵襲の治療法などの研修を受けた後、まず「放射線科専門医」を取得してから「放射線治療専門医」や「がん治療認定医」の資格を目指します。

文部科学省が平成19年(2007年)に提唱した「がんプロフェッショナル養成プラン(がんプロ)」に基づき、各大学では様々な取り組みが行われるようになりました。

通常の研修に加えて、海外留学も積極的に勧めており、将来的には研究職をはじめ、大規模病院の診療のリーダーや地域に密着した治療を行う医師など広範囲での活躍が期待されます。

転職の動向としては放射線科の医師の求人は少なめで、その中では読影や画像診断ができる画像診断医の募集が多数を占めています。

主に地域の一般病院や健診施設の募集が多く、がん患者の増加に伴って画像診断専門の医師を増やす施設からの求人が増えています。

施設によっては、画像診断と放射線治療の両方を行う医師を募集している所もあります。

フリーランスとして複数の機関と契約し、画像の診断のみを行う女性医師も増えており、働き方は多様化しています。

しかし、平成26年(2014年)の診療報酬改定の影響もあり、外部に読影の委託をせずに常勤の画像診断医を雇うという方向に変化しています。

一方、放射線治療に携われる求人については、治療ができる施設が限られるために募集が少なく、空きが出てもすぐに埋まる状態です。

新しく放射線科を立ち上げた場合や、欠員が出た時の募集などをすぐにチェックできるようにしておきましょう。

今後は、がん患者の増加と治療技術の進展に伴って放射線科の新規開設や新しい設備の導入が予想されるので、放射線治療医のニーズは高まると考えられます。

 

放射線科医の平均年収は?

放射線科の平均年収は勤務先によって大きく異なりますが、国立病院や大学病院では全体の半数が1,400万円~2,000万円、民間の病院では全体の4分の3ほどが1,400万円~2,000万円の範囲という報告があります。

男女別に見ると、男性医師の大半が年収1,000万円以上を実現しているのに対し、1,000万円以上の年収を得ている女性医師は半数以下というデータがありました。

この数値からは、勤務時間が限定されるなどの働き方が影響して、女性医師は高額の報酬が見込めないのではないかと考えられます。

地域で見ると、北海道・東北地方では2,000万円以上の年収をもらっている医師が7割近くいる状況です。

関東や関西などその他の地域では1,400万円~2,000万円の範囲が7割ほどという結果が出ています。

全体としては1,000万円~1,400万円の年収を希望している医師が8割以上いるため、女性医師が思うような年収を得られていないことがわかります。

 

これからの放射線科医に求められるスキル

医療機関の規模や保有している機器によっても事情が変わりますが、放射線科の医師の転職は、専門医の資格があればスムーズに進みます。

転職の際は、自分の得意分野や経験した症例をまとめておきましょう。

画像診断の場合は、X線写真はもちろん、CTやMRI、超音波、血管造影、消化管造影などの正確な読影が求められ、1日あたりに読影できる件数を問われます。

空いた時間に健診業務を行うこともあるため、プラスαの技術を要求される場合もあります。

欠員募集で急ぐ場合は、早く入職できる医師を優先するケースがあるため、入職意志を示すタイミングを逃さないようにしましょう。

放射線治療の場合、ピンポイント照射治療や化学療法、IVRの治療などが必要で、高精度放射線治療装置や小線源治療装置などの症例を経験した医師は積極的にアピールできます。

また、血管内治療を行う医療機関では、放射線治療に特化した医師が必要とされます。

医療被ばくの管理や治療計画の立て方をはじめ、治療における放射線の効果や副作用の知識、がん患者に対するケアも大切なスキルです。

どちらも他科との連携が必須であり、放射線についての説明や治療方針、健診時の対応など患者と直接話す機会も多いため、人柄も重視されることは言うまでもありません。

 

放射線科の転職におけるオススメ求人

放射線科は当直が無く比較的働きやすい科と言われます。

放射線科医の転職理由を挙げると

  • 専門医の資格取得をサポートしてくれる医療機関へ行きたい
  • 放射線治療を行う専門機関でスキルアップしたい
  • 開業を視野に入れクリニックで経験を積みたい
  • 収入アップのためにプラスして読影のバイトをしたい
  • 子育てと両立させるために遠隔読影の仕事をしたい
  • 親が高齢のためUターンして職場を探したい
  • 読影件数が多い上に遠隔診断の外注があり激務がこたえる

などがあり、スキルアップや年収アップの他に、ライフスタイルの変化や多忙などの理由が多く聞かれます。

なお、放射線科の医師が転職する際にチェックしておきたいポイントは

  • 業務内容(画像診断なのか放射線治療なのか)
  • 治療部位や領域、症例数
  • 医療機器や設備の状態、メーカーなど
  • 各専門医の在籍
  • 募集に至った背景や理由
  • 当直や残業の有無、実態
  • 他科との連携の状況
  • 経営母体はどこか

などがあります。

また、画像診断医が転職する場合は以下のポイントも確認しておきましょう。

  • 1日の読影件数や内訳
  • 常勤か遠隔読影か
  • 医療用画像管理システムについて
  • 造影剤注入の方法、役割
  • 読影以外の業務があるか
  • 外部委託の割合

転職にあたっては、非常に多くの情報を収集・分析し、判断していくことが求められます。

そこで、転職を効率よく進めるためには、医師専門の転職サイトや紹介会社(エージェント)に登録することをおすすめします。

「Dr.転職なび」では、医療経営士の資格を持ったエージェントがていねいにサポートしています。不安な点や疑問があればすぐに相談してみましょう。

がん患者の増加と新しい技術の導入に伴い、今後も放射線科医は必須と言えます。

常にアンテナを張って充分な情報収集を行い、スキルを生かした転職を進めることが転職成功の秘訣です。

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