常勤の麻酔科医が転職する際に知っておくべき事

最終更新日:2017.09.06
常勤の麻酔科医が転職する際に知っておくべき事

ここ数年、麻酔科医の人数は他の診療科に比べ急激に上昇しました。

しかし、それでも麻酔科医の数が足りずニーズは高まる一方です。その背景には、どのような理由があるのでしょうか。

ここでは、麻酔科医が求められる現場や転職の動向、必要とされているスキルや転職の際にチェックしておきたいポイントなどをまとめました。 

麻酔科医のキャリアパス・転職動向

厚生労働省がまとめた「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、平成20年(2008年)の麻酔科医の数は7,067名で平均年齢は41.9歳、平成26年(2014年)の麻酔科医の数は8,625名で平均年齢は43.5歳と報告されており、わずか6年の間に1,600名近くも増加していることがわかります。

他の診療科に比べ、女性医師が多い点も麻酔科の特徴です。

ここまで数が増えているのにもかかわらず、なぜ全国的に麻酔科医が不足しているのでしょうか。

考えられる要因として、かつて虫垂炎などの手術の腰椎麻酔は外科の執刀医が担当し、看護師が介助等を行っていましたが、最近ではその業務をすべて麻酔科医が行うようになったこと、ペインクリニックや緩和ケアなどの医療機関が増加したことなどが挙げられます。

また、高齢化社会を反映して高齢者の手術の対応や、高齢出産でハイリスクの帝王切開などの増加も関わっています。

さらに、麻酔科医が多い首都圏で、高度な医療機関が多数の麻酔科医を募集し、加えて地方の病院でも慢性的な人手不足で求人を出しているという地域の差も影響しています。

医療機関で行われる手術のうち、約半数が麻酔の管理が必要というデータもあり、全身麻酔で行われる手術件数は1年で約253万件以上と言われているため、麻酔科医の需要は今後も減ることはないと推測されます。

麻酔科医には、厚生労働省が認定する「麻酔科標榜医」という資格があります。こちらの◇を取得しなければ、麻酔科を標榜することはできません。

その他にも、日本麻酔科学会が認定する「麻酔科認定医」の資格を取り、さらに研修を重ねて「日本麻酔科学会専門医」「麻酔科指導医」とキャリアアップしていきます。

2015年度からは専門医制度が変わり、「専攻医」として研修を重ね、「麻酔科認定医」や「日本麻酔科学会専門医」の資格を取得する形となっています。

将来的には「麻酔科指導医」を目指し、「日本集中治療医学会専門医」や「日本ペインクリニック学会認定ペインクリニック専門医」などの資格も取得できます。

特に麻酔科は留学に積極的な科でもあるため、海外での研究に力を入れるという選択もできます。

実績を重ねた麻酔科医は、研究職はもちろん、大規模病院のリーダーや院長として活躍する他、地域と密着したクリニックでの診療、ペインクリニックの開業などといった将来が望めます。

また、話題になったドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」に登場するようなフリーランスの麻酔科医として独立する働き方もあり、幅広い分野で力を発揮できます。

転職の動向としては、全国でも特に麻酔科医が多い東京都で、高度医療を行う大規模病院がさらに募集を出している状況です。一方で、地方の麻酔科医も常に不足しており、地域による格差が浮き彫りになっています。

近年では飛躍的に数が伸びている美容関連の医療機関や、老人施設からの求人も目にします。

麻酔科医は女性医師が多いため、出産後も復帰しやすい制度の設置や、育児支援を積極的に行う医療機関も多く見られます。医師のQOLを重視する施設が増え、働き方を選べることも麻酔科の特徴です。

 

麻酔科医の平均年収は?

麻酔科の年収は他の診療科に比べて高めの傾向があり、およそ10年目で1,000万円~1,200万円という見方が1つあります。

しかし、一般には5年目で1,000万円~1,200万円、10年で1,300万円~1,800万円くらいが平均です。当直や時間外、アルバイトなどがプラスされていると考えられます。

地域別で見るとかなりの差があり、関東や関西ではおよそ1,400万円~2,000万円が最も多く、2,000万円以上の募集も見られます。反対に九州や沖縄では1,000万円を下回る数値も出ています。

ただし、過疎地などで緊急を要して高額を提示している場合もありますので、仕事内容をきちんと確認してから応募する必要があるでしょう。

一部の開業医やフリーの麻酔科医は通常の数倍の年収をもらっているとも言われますが、伴うリスクが高いことも念頭に置きましょう。

 

これからの麻酔科医に求められるスキル

麻酔科医は知識と技術だけでなく、豊富な経験と実績が必要とされる科です。

さらに、手術が重なった際の集中力や体力、緊張感やプレッシャーを乗り越えられる精神的な強さも求められます。

実際の求人では「標榜医以上」という指定も多いため、培ってきた過去の手術の内容や件数などを整理しておきましょう。

麻酔の領域の得意不得意もまとめておき、術後の管理や当直、オンコールが可能などの姿勢も採用のポイントになります。

麻酔科は一般的に同診療科目での転職が8割くらいで、他科からの転職も2割ほどいると言われています。

しかし、麻酔科は専門の知識や技量が必要とされるため、ある程度の経験や実績がないと採用が難しいケースがあります。反対に言えば、経験豊かで資格を持つ麻酔科医は転職しやすいということになります。

仕事は、手術の麻酔管理と集中治療の管理がありますが、職場によっては両方を任されるケースもあります。技量と実績があれば、緩和ケアを重視した科や施設を新規開設できる可能性もあります。

また、手術の際は外科医や看護士などとのチームワークで行われますので、人柄やコミュニケーション力も求められます。

 

麻酔科の転職におけるオススメ求人

麻酔科医が転職を希望する理由として多いのが「忙しくて家族との時間が持てない」「精神的、肉体的にも疲れてしまった」という意見です。

しかし、働き方を選べば状況を改善することができます。例えば緊急手術や当直シフトの調整や免除が可能な職場、長時間の手術を行わない病院、ペインクリニックに限って探す、などの方法があります。

年末年始などの長期休暇なども希望として伝えれば、条件に組み込むことも可能です。

その他にも、転職の際にチェックしておきたいポイントは

  • 認定医などを取得できる研修制度
  • 手術の内容、領域や件数
  • 手術室の設備や数、並列麻酔に対する考え方
  • 手術の日程や緊急時の対応
  • 術前や術後の管理
  • 当直やオンコールの頻度や手当
  • 外来の患者数や症例
  • 緩和ケアの状況
  • 在籍する医師の情報やシフト
  • 大学病院との繋がり、方針
  • 経営状態や募集の背景

などがあります。特に麻酔科医は過度の労働の有無と、チームのシフト体制を重点的に調べておきましょう。

しかし、このような細かい内容を病院ごとに調べるのは大変な労力が必要です。

そんなときは、医師専門の転職サイトや紹介会社を利用すれば、忙しい合間にも効率よく転職活動が進められます。

「Dr.転職なび」では、医療経営士の資格を持ったエージェントがていねいに転職のサポートを行い、細かい情報や聞きづらい内容も調べて報告します。

非公開求人の紹介などもあるので、第三者の力を上手に活用してください。

今後は従来の手術に加え、高齢者や高齢出産のハイリスクな手術ができる麻酔科医のニーズが高まってくると考えられます。ペインクリニックや緩和ケアの施設も全国に増えていくでしょう。

麻酔科医は患者の痛みや苦しみを和らげるために欠かせない仕事です。資格や実績を充分に生かした良い転職が実現できることを祈っています。

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