内科への転科を考える際に知っておくべき事

医師が内科に転科する理由とは?
医師の転科は決して珍しい状況ではなく、ある調査によると転科を考えたことがある医師は18.3%、実際に転科をした経験がある医師は全体の16.7%という結果が出ています。
特に外科から内科に転科する例は多く、これまでの自分のスキルを生かして幅広い治療に取り組みたい、訴訟の可能性が少ない科に移動したいなどの理由があります。
また、外科医以外からの転科を見ると、内科への転科を考える理由としては下記のような内容があります。
- 内科への興味や魅力
- 患者とのコミュニケーションを重視した治療
- 給与などの待遇や人間関係、紹介
- 年齢や体力の衰えなど身体に関わる内容
- 医院の継承、家族の介護、子供との時間の確保
給与や身体的理由といった現実的・物理的な内容だけでなく、医師としてのキャリアを考えた際、自分の能力をより伸ばすための前向きな声が数多く聞かれます。
内科への転科が人気な理由
転科を考えている医師は、内科を希望するケースが多く見られます。
多数ある科の中でも、なぜ内科が人気なのでしょうか。
理由の1つとして、日本では高齢化が進み、内科の需要が今後も増えると見込まれていることです。
将来を見据え、内科の開業を視野に入れて転科をする医師もいます。
2つめは、内科は様々な症例を診察するので、自分のキャリアが役立つ可能性があるのも大きな理由です。
幅広い知識を持った内科医は、疾患の因果関係を見極められることもあるため、今後も期待が寄せられ必要性が高まると言えるでしょう。
また、内科には消化器内科や呼吸器内科、神経内科などたくさんの科目があることも魅力です。
さらに自分の性格を考慮して、テキパキと動き回る外科の現場よりも患者とゆっくり話す場面が多い内科を希望する医師もいます。
一方で、万が一職場を変わることになっても、内科であれば多くの医療機関で外来が設置されているため、職探しに苦労しないといった意見もあります。
まれに、開業医としての経営が困難になった医師が内科に転科するケースもあります。
内科に転科する際の注意点
転科を考える際には様々な理由がありますが、職場に不満を持って転科を希望する場合、よく調べずに条件だけで早急に決めてしまう人がいます。
その結果、うまくいかずに何度も転科や転職をすることになり、医師としての経歴が本人にとって好ましくないものになってしまうことがあります。
また、内科は外来の患者数が多いため、診療時間をオーバーする日も珍しくありません。
予想より多忙な科であることも頭に入れておきましょう。
ここでは、忙しい業務の合間にも効率よく転科を進められるポイントをお伝えします。
紹介などの伝手では、数が限られている上に人間関係も気になるため、落ち着いてゆっくり探すことができません。
近年ではインターネットでたくさんの情報が集められますから、空いた時間に作業をすればプライバシーの心配がなく転科へ向けた準備ができます。
医師の転職サイトやエージェントに登録すると、非公開の案件や好待遇の条件を数多く紹介してもらえるだけでなく、自分では調べられない細かな内容も閲覧が可能で、ていねいなサポートを受けることができます。
内科の場合はさほど年齢的な制限はありませんが、転科にあたっては職場のタイミングなど様々な要素が関わってきますので、不安な点があれば信頼できるエージェントを見つけて、どんどん相談してみましょう。
具体的に探すためには、給与や勤務形態などの待遇だけでなく、過去に転科した医師を受け入れた事例があるか、専門医取得に関する個別の研修などがあるか、新しい科で一からのスタートになった場合のサポート体制は充実しているか、などを確認する必要があります。
内科は特に患者とのコミュニケーション能力が大切なため、自分の適性をアピールして登録しておくことも大切です。
まずは手が空いた時に入念な下調べをして、今後の方向性をじっくり考えることをおすすめします。
逆に内科からの転科は可能?どういった科目への転科がおすすめ?
一方、内科から他の診療科へ転科を希望するというケースもあります。
多くの患者を幅広く診る内科の場合、様々な症例をさらに深く掘り下げるために転科を希望する医師が多くいます。
よくある例は、内科から精神科への転科です。
しかし、精神科の現場は予想よりもハードなので転科には覚悟が必要です。
精神保健指定医を取得するまでは研修期間になるため、所得が下がることも考慮しておきましょう。
中には、精神科へ転科後も長いスパンで考え、高いモチベーションを持って働き成功している医師もいます。
他にも内科からアレルギー科、消化器科、皮膚科、眼科、整形外科、健診業務などへの転科が見られます。
比較的転科がしやすいのはリハビリテーション科で、専門医が少ないという現実もあり注目されています。
また、近年では透析を必要とする患者が増えていることから、人工透析科も転科がしやすい科の1つです。
高齢化社会に伴い、老人科も内科からの転科が有利と言われています。
総合的に転科医を多く受け入れている医療機関であれば、異動がしやすくなります。
女性医師の場合は、結婚や出産などのライフスタイルの変化により非常勤やアルバイトを選ぶという形も見られます。
いずれにしても、転科を考える際には待遇面はもちろん、転科をする先の細かい状況など、事前の入念な準備が大切と言えるでしょう。
実際に転科をした医師の体験談も大変参考になります。
便利なインターネットと転職サイトを賢く利用して、スムーズな転科を実現してください。
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