転科で失敗したくない医師へ!まず押さえておきたい6つのポイント

最終更新日:2017.09.12
転科で失敗したくない医師へ!まず押さえておきたい6つのポイント

医師にとっての転科は、人生の一大事。外科手術同様に、チャンスは一度きり。失敗は許されません。

そこで「転科したい」という願望があったとしても、行動に移す人はごく一部です。

では、転科経験者が転科を決めた理由やタイミングとは、何だったのでしょうか。

今回は、転科で失敗しないために先に知っておきたい、次の4つのポイントをご紹介します。

  • 先輩医師の転科理由とタイミング
  • 転科しやすい科目、転科しにくい科目
  • 転科する際のメリットとデメリット
  • 転科の上限年齢

医師が転科する6つの理由と年齢・タイミングは?

医師が転科を考える理由は、大きく分けると次の6つではないでしょうか。

  • 別の診療科目に興味を覚えて
  • 将来性を考えて
  • ライフスタイルに合わせて
  • 当初の診療科目が合わなくて
  • 職場の人間関係が良くなくて
  • 年齢を考慮して

どれかひとつが強い動機となる場合もあれば、いくつもの動機が組み合わさったうえで何かがトリガーとなって転科へ踏み切るというパターンもあります。

では、実際にどんなケースがあるのか、弊社エージェントからヒアリングした過去のサポート事例を交えつつ、具体的に見ていきましょう。

別の診療科目に興味を覚えて
消化器内科から精神科へ転科(女性医師 20代 未婚)

内科医として臨床に携わるなかで、認知症や精神疾患を抱えている患者さんを診る機会が多く、より専門的に学びたいと思うように。「転科するなら、早い方が良い」と考え、専門医取得前に転科を決意。

 

将来性や目指す医師像を考えて
心臓血管外科からリハビリテーション科へ転科(男性医師 40代 既婚)

仕事のリフレッシュに必要な家族との時間すら取れなくなり、ストレスが増したことで転科を検討。心臓血管外科専門医取得後、手術に追われる日々。外科医としての腕は磨かれるが「病気だけでなく、しっかり病人を診たい」という本来目指していた医師像を思い出し、外科手術後の経過を含めて全人的に診られるリハビリ科を選択。

 

ライフスタイルの変化に合わせて
麻酔科から皮膚科へ転科(女性医師 30代 既婚)

麻酔科医として緊急オペを含むハードな仕事をこなしていたが、出産を機に働き方を見直すことに。医局を出て、以前から興味を持っていた皮膚科、美容皮膚科に転科した。麻酔科医のときとは違って急な呼び出しのない環境で、育児と仕事の両立を目指す。

 

当初の診療科目に満足できなくて
放射線科から内科へ転科(男性医師 30代 未婚)

放射線科は読影など一人でできる仕事が多く、時間の融通が利く点がメリットだが、年々「患者さんを直接診られる現場に出たい」という思いが強くなった。より専門的な勉強ができる環境を探し、医局を出ることを決意。総合内科専門医の取得を目指している。

 

職場の人間関係が良くなくて
循環器科から産業医へ転科(男性医師 50代 既婚)

大学病院の医局の派閥争いに疲れて、転職を決心。転職を機に、これまで「仕事第一」だったライフワークバランスを見直し、自分の時間を確保しやすい産業医という道を選んだ。

※厳密には「転科」ではありませんが、同じような経緯で健診医や産業医に転身されたケースは多いのではないでしょうか。

 

年齢を考慮して
外科から内科へ転科(男性医師 60代 既婚)

勤務している病院の院長からの要請で、内科へ転科。メスは置いたが、これまでの経験を活かして同病院で内科医として再スタートを切った。

 

医師が転科しやすい科目、転科しにくい科目

医師が転科をするにあたって、転科しやすい診療科目はあるのでしょうか。個別に異なるケースはあるものの、医師の転科に関する全体的な傾向をご紹介します。

 

外科から内科への転科は一般的

転科の基本ともいえるのが「外科から内科へ」というパターンです。

前述の例にもありますが、50代、60代になっても転科しやすいコースではないでしょうか。反対に「内科から外科へ」の転科は難しく、実現したケースも非常に限られています。

 

リハビリ科などの新しい科目は募集も多い

人工透析科やリハビリテーション科など、比較的新しい診療科目は「転科OK」と明示されている求人も多数あります。

受け入れ体制が整っている医療機関の場合、転科ドクターの経験談などが掲載されているので、参考になるでしょう。

 

精神科への転科は覚悟が必要

医師の転科において人気がある精神科ですが、ふたつの覚悟が必要です。

ひとつめは、「当直がなくゆったりとした勤務をしたい」と考えて転科を目指す場合、精神科は体力を必要とする場面もあり、意外にハードな勤務だという点。

ふたつめは、精神保健指定医を取得するための症例が揃う環境が限られているという点です。

 

医師が転科する際のメリットとデメリット

転科する状況やケースによるため一概にはいえませんが、一般的には次のようなメリットやデメリットが考えられます。

 

転科のメリット

転科をしないと叶えられない「ワークライフバランス」や「キャリア」を実現できる点ではないでしょうか。

転科を伴わない転職でも実現できる可能性はありますが、「緊急呼び出しのない麻酔科医」「80歳になっても臨床の前線に立つ外科医」といったポジションは、なかなかありません。

その場合、「緊急呼び出しがない科目」や「80歳になっても臨床の前線に立てる科目」を選ぶことで、ご自身の希望を優先することができます。

また、将来を見据えたキャリアを構築することで、生涯年収を上げることもできます。

 

転科のデメリット

転科をした場合、また初めから専門医取得に向けた研修がスタートします。そのため、一時的に年収が下がる覚悟が必要です。

また、同年代や年下の指導医の指導を受けることもあります。

これまでとは立場が変わるという認識を持っていないと、「この科目はやっぱり合わない。転科しよう」と、ジョブホッパーならぬ科目ホッパーになってしまうでしょう。

 

医師が転科する際に診療科目の適性はどのように見極めるべき?

同じ医師でも、診療科目によって働き方ややりがい、大変な点、待遇等が大きく異なってきます。

診療科目の転科を考えている方は、医師専門の転職エージェントに相談する事で、転科先の診療科目の特徴や、どんな志向や性格の人にマッチするのか等を確認しておくと良いと思います。

 

医師が別の診療科目に転科すると年収は下がるの?

現在の自分の専門分野と異なる診療科目に転科した場合、気になるのは年収が下がってしまうのでは?という点と思います。

結論としては、診療科目によって年収レンジは大きく変動するため、どの診療科目からどの診療科目へ転科をするかによる、というのが正直なところです。

現在の診療科目がそもそも高年収であった場合、次に転科した先の診療科目がそこまで高年収な科目でなければ、やはり年収は下がってしまいます。

一方で逆も然りで、現在の診療科目が低い科目であれば、逆に年収が上がる可能性もあります。

そのため、未経験の科目へ転科したら、必ずしも年収が下がるという事ではないのです。

未経験で受け入れてくれる診療科目と、受け入れてくれない診療科目があり、未経験で受け入れてくれる診療科目は、未経験だから年収を下げるというよりは、その診療科目の給与水準が今の科目と比較して高いか否かがポイントとなってくるのです。

 

転科しても年収を下げないためのコツ

ご自身のこれまでの専門科が活かせるかどうかで、年収が変わる場合があります。

例えば内科から精神科へ転科する場合。精神科病院は合併症として内科疾患を抱えていることも多いため、内科医として内科疾患に対応しながら、精神科の研修を受けるような形も可能です。

その場合、内科医としての評価も給与に反映されるため、結果的に年収を下げずに済んだという場合があります。

また、皮膚科から訪問診療へ転向した場合、褥瘡を見られるという点を評価され、年収アップに繋がったという事例もあります。

訪問診療にとって褥瘡管理は必須のため、元皮膚科の先生が高く評価されることもよくあります。

このように、ご自身のこれまでの専門性を活かせる科目へ転科することで、年収を下げずに済むこともありますので、転科先に求められていることをしっかり把握し、自分のスキルが活かせる部分があれば、そこをしっかり売り込むことも重要となります。

 

医師の転科の上限年齢は何歳?

もうお気づきかと思いますが、医師の転科そのものには、上限年齢はありません。

60代で外科から内科へ転科するケースも多数見られます。

しかし、専門医の取得や精神保健指定医の取得など、新たな資格取得を視野に入れた場合、若ければ若いほど新しい知識は吸収しやすく、先輩の指導を受けるときも柔軟でいられるのではないでしょうか。

転科の上限年齢は、誰よりも自分自身が知っているのかもしれません。転科を検討中の先生は、周りの意見に流されず、ご自身の柔軟性や体力とじっくり相談してみることをおすすめします。

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