やりがいがない!?医師が掲げる理想と現実

最終更新日:2017.09.05
やりがいがない!?医師が掲げる理想と現実

 子供が憧れる職業の上位にもランクインする医師という職業。

そんな医師を目指す若い人たちは「病気に苦しむ人を助けたい」という志のもと、日々奮闘していることでしょう。

しかし、理想と現実の差は大きく、医師の仕事にやりがいを見出せないという話も耳にします。

なぜ、そこまで医師は悩んでいるのでしょうか。

ここでは、医療の現場で実際に起きている過度の労働や、求人の状況などを紹介し、医師がやりがいを見つけるための方法を考えていきます。

医師が働く医療の理想と現実

多くの医師は、「患者を治療して回復し、感謝された時」にやりがいを感じると言います。

その他にも、「最新の医療技術や知識を習得して役に立ちたい」「人々の健康を守り、よりよい生活環境を作りたい」「地域に密着した医療を提供したい」など医師によってやりがいは様々です。

そして、労働が正当に評価されて年収という形で得られればやりがいを実感し、良い仕事をしたと満足できます。

しかし、必ずしも忙しい=やりがいではありません。

多くの医師が抱える不満や悩みなど、一部の声を挙げてみましょう。

  • 自分の体調や大切な予定に関わらず業務に追われる(プライベートが後回し)
  • 重篤でない患者でも夜間に呼び出しが来る
  • ハードな当直の後でも通常勤務がある
  • 残業手当も有給も無いのは辛い
  • 働く量や能力と年収が見合っていない
  • 毎日患者の話を聞いていると憂鬱になる
  • 医局の派閥や出身大学別の差別が深刻、煩わしい
  • 看護師との職種間関係や困った患者に対する対応が大変

勤務形態や過度の労働、年収、人間関係などの悩みが多く聞かれます。

日々の業務に追われ、やりがいを感じる余裕がない様子が切々と伝わってきます。

 

過酷な労働環境や激務が医師のやりがいを削いでいる

ここで深刻な医師の労働状況を見てみましょう。

平成28年(2016年)に厚生労働省が行った「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」によると、男性医師では27.7%、女性医師は17.3%、合計すると医師のおよそ45%が週に60時間以上の勤務を強いられていると報告されています。

また、平成18年(2006年)に国立保健医療科学院が行った調査でも、20代後半の男性医師の労働は月に85時間という驚きの結果が出ています。
(参照元サイト:勤務医の過重労働:酷使される勤務医の実態と、その解消策

 過労死と認定される基準が月80時間の労働ですから、医療機関の現場は常識を超えた激務であることがわかります。

さらに、平成24年(2012年)に日本医療労働連合組合が行った「勤務医実態調査」では、70%を超える医師がストレスを抱えていると答え、そのうち4%の医師が投薬などの治療を受けていると報告しています。

ここでも、8割近い医師が当直明けに通常勤務についていることがわかっています。

過酷な状況下では、やりがいどころか自分自身の体が持ちません。

また、厚生労働省の試算では、2025年の高齢者は3,500万人に上るとされ、うち320万人が認知症を患うとしています。

現時点の医療状況では、10年後の高齢者3,500万人に充分な医療を提供することは不可能でしょう。

医師の健康維持だけでなく、高齢化社会にも対応するためには、医療機関をはじめとする社会全体が医師あるいは医療に対する意識を変え、早急に行動を起こす必要があります。

 

専門外来のみの求人が少ないことも一つの原因!?    

もう1つ、医師のやりがいが見つからない原因が考えられます。

医師向けの転職サイトにある求人情報を見ていると、専門性に特化した募集は非常に少ないことがわかります。

もともと開設数が多くないため、募集をしてもすぐに埋まってしまう背景もありますが、大きな要因としては医療機関側が医師の人件費を削減していることと、慢性的な医師不足が挙げられます。

ゆえに医師向けの転職サイトにある求人のほとんどは外来や病棟管理などの一般業務と専門外来を兼任で行う内容です。

苦労して専門医の資格を取り、さらに深く掘り下げて専門性を追求していきたいと考える医師にとっては物足りない現状でしょう。

専門外来の看板を掲げつつも、実際は医師不足で他の診療も任されるようではやりがいを見出せないと嘆く医師も多くいます。

より専門性を高め、医師としての業務にやりがいを得たいと考える医師は転職も視野に入れる事がスキルアップの近道になるでしょう。

しかし、自分1人で専門外来に限った求人情報を見つけるには限界があり、難しいでしょう。

医師の転職をお考えの際は医師専門の転職支援サービスを利用することがおすすめです。

医師の求人情報を多数扱う転職エージェントは、求人サイトに公開している求人とは別に非公開案件を各医療機関から預かっており、専門性の高い求人も紹介しています。

タイミングよくやりがいのある職場が見つかる可能性もあるため、一度転職エージェントにご相談してみてはいかがでしょうか。

 

やりがいのある科はどこ?

最後に、どの診療科がいちばんやりがいを感じられるのか考えてみましょう。

これは、医師によってそれぞれの感じ方があるので一概には言えませんが、医師全体で見ると現在の診療科に満足している傾向の方が強いようです。

例を挙げると、小児科で子供を相手に治療をする医師は、回復して元気になった姿を見るとやりがいを感じ、その後の成長も楽しみだと言います。

また、外科だけでなく婦人科、耳鼻科や眼科などの手術の成功もやりがいに繋がり、患者が無事に退院していく姿を見ると医師の仕事にやりがいを感じ、医師として誇りを持つ瞬間だと語ります。

一方で、QOLを重視する医師の間では、俗に言うマイナー科で働き方を選びつつやりがいを見つけるのも良いとしています。

それぞれ自分の中で目標を立て、やりがいを見出し満足できる働き方ができれば良いのではないでしょうか。

全国には様々な医療機関が数多く存在します。医師として積み上げてきた経験を生かし、自分に合った環境で余裕を持って働くこともやりがいを見つける生き方の1つです。

この機会に、ゆっくり将来を考える時間を作ってみてはいかがでしょうか。

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