医師が抱えるストレス、転職で解決しませんか

最終更新日:2017.09.05
医師が抱えるストレス、転職で解決しませんか

「仕事を辞めたい」「辛い」とストレスを抱えている医師は少なくありません。

労働時間や人間関係、医療訴訟など、医師の仕事には想像以上のストレスがのしかかっています。

今回は、医師が抱えるストレスの内容や研修期間のストレス、辛さからうつ病を患う医師の実態、ストレスを解決する方法の1つである転職の提案など、数々の調査結果を交えながらお伝えいたします。

医師が抱える「ストレス」とは

日本医療労働連合組合が2,108人の医師を対象に行った平成24年の「勤務医実態調査2012」によると、71%の医師がストレスを抱えていることがわかりました。

中には投薬などの治療を受けている医師もいて、62%の医師が「辞めたいと思うことがある」と答えています。

また、79%の医師は、当直明けにそのまま通常勤務に入っており、過酷な労働環境が原因でストレスを溜めている傾向がある事がわかります。

(参考元サイト:日本医療労働連合組合 「勤務医実態調査2012」

さらに、海外の調査でも同様の結果が報告されています。

平成25年(2013年)、オーストラリアのメンタルヘルスグループ「ビヨンドブルー」が約14,000人に対して行った調査では、5人に1人の医学生および10人に1人の医師が勤務内容に対する重度のストレスに苦しんでいることがわかりました。

中でもがんの専門医のストレスが高いと伝えられ、多くの女性医師が精神的なストレスを抱えていると報告しています。

(参考元サイト:オーストラリアメディア ABC News

医師はなぜ、ここまで追い詰められているのでしょうか。

国内では、医師の偏在と不足が問題になっており、激務を強いられる状況が発生しています。

医師のストレスの原因をピックアップして見てみましょう。

 

過酷な勤務体制

厚生労働省が平成28年(2016年)に行った「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」では、常勤の男性医師の27.7%、女性医師の17.3%、つまり医師のおよそ45%が週に60時間を越える勤務を行っていることがわかっています。

また、国立保健医療科学院が平成18年(2006年)に行った調査でも、20代後半の男性医師の勤務時間は平均で週に85時間という過労死の基準を超える結果が出ています。

医師不足の現場で働いている医師のストレスは、想像を絶するレベルと推測されます。

(参考元サイト:HUFFPOST 【勤務医の過重労働:酷使される勤務医の実態と、その解消策】

 

極度の緊張と不安

患者の命を預かる医師の仕事は、常に緊張が伴います。特に救急の施設や手術、出産などの現場に関わる医師は、緊張した状態が長く続きます。

極度の緊張で手の震えが出てしまい、業務に差し支える医師もいるようです。

また、増加している医療訴訟の不安も医師のストレスの1つと言えます。法律に関わる事態が起きれば、医師としての仕事にも影響が出てきます。

 

異動や人間関係

医師にとって、人事異動も大きなストレスになります。

意に反した異動を命じられ、家族やパートナーとの折り合いがうまくいかなくなるケースもあるでしょう。

また、医局内の人間関係も多くの医師が抱えるストレスのうちの1つのようです。

教授との関係や看護師とのやりとりはもちろん、価値観の異なる若い医師への指導など、狭い業界ならではのストレスが伴います。

 

患者や家族への共感

特にがんなどの重篤な疾患や、精神的な病を患う患者への対応は非常に慎重なため、相当なレベルのストレスになります。

死に直面する診療科の医師は連日のように現場に立ち会い、家族にも伝えなければなりません。

また、精神科医の場合は患者の話に耳を傾け、辛く悲しい内容をじっくり聞くことが仕事です。

助けになりたいと共感するあまり、自分自身が疲れて犠牲になるケースも多々あります。

 

理解されにくい仕事

医師同士では分かり合えても、一般の人には理解してもらえないという話もよく聞かれます。

医師は一般の会社員よりも年収が高いために嫉妬されやすく、辛い感情を周囲の人に話せないというストレスもあります。

また、患者の中には医師に過剰な要求を求める人もおり、理不尽な対応を迫られる時にストレスを感じる医師もいるようです。

 

女性医師ならではのストレス

女性医師の場合、出産や子育てに伴うストレスが考えられます。

家事育児と仕事の両立でもストレスを感じる場合も考えられるでしょう。

特に出産でキャリアを中断せざるを得ないストレスは、男性医師には理解できない辛さがあると言われます。

医師不足のために充分な育児休暇を取れないことや、子育てと平行した勤務に大きなストレスを抱える女性医師は少なくありません。

また、女性ならではの対応を患者だけでなく医局内でも要求されて苦しむ医師もいます。

 

過酷すぎる?研修医が感じるストレス

文部科学省科学研究費基盤研究が平成23年(2011年)に行った「卒後初期研修における研修医のストレスに関する多施設研究」によると、初期研修の開始3ヶ月で、5人に1人の研修医がうつ状態に陥るという驚きの結果が出ています。

(参考元サイト:KAKEN 卒後初期研修における研修医のストレスに関する多施設研究

また、筑波大学などの教授による研究では、研修1年目の28.7%の研修医に抑うつ症状が見られると報告されています。

(参考元サイト:新臨床研修制度における研修医のストレス

平成21年(2009年)に岐阜大学で行った調査では、研修開始後2ヶ月で燃え尽き症候群やうつ状態になる研修医が男性26.0%、女性36.6%という結果が出ています。

(参考元サイト:4人に1人が「うつ」になる世界で「医者」を殺さないために

また、医道審議会の報告書では、研修医のうち1.3%は研修の途中で中断しており、そのうち半分弱は病気療養が理由と記載されています。

(参考元サイト:医道審議会医師分科会医師臨床研修部会 報告書 -医師臨床研修制度の見直しについて-

ここまで研修医がストレスを抱える原因・背景は、いったい何なのでしょうか。

まずは、過酷な勤務時間が挙げられます。新臨床研修制度を導入した平成16年(2004年)以降は労働時間の短縮が見られているものの、紹介した調査では依然として4分の1以上の研修医が週に80時間もの労働を行っているとの結果も出ています。

そして、先輩医師や教授からのパワハラや理不尽な対応、医局内の人間関係も理由に挙げられています。

さらには、患者や家族への対応上でのトラブルなどのストレスもあります。研修先が目まぐるしく変わることや、経験の浅さゆえにのしかかるプレッシャーもストレスの要因になるでしょう。

このような研修医の状況に歯止めを掛けるため、メンタルヘルスの改善を目的とした組織も立ち上がっています。

若い医師に向けた相談窓口や、ストレス解消に向けた講座、病院管理者側への助言など、医師同士のネットワークに力を入れて研修医のサポート活動を行っています。

 

「辞めたい」「つらい」うつ病を患う医師も    

ストレスが溜まっている、疲れて体が悲鳴を上げている、しかし人手不足で休むわけにはいかない。その結果、医師がうつ病になるケースが後を立ちません。

日経メディカル Onlineが平成27年(2015年)に医師2884人に対して行った調査では、37.1%にあたる1,071人の医師が抑うつやうつ症状を経験したと回答しています。

発症のきっかけになった理由は、長時間の労働が最も多く、次いで先輩の理不尽な対応、人間関係やリフレッシュの不足などがあります。

(参考元サイト:日経メディカル 4割弱の医師が抑うつ、うつ病症状を経験

また、日本医師会が平成27年(2015年)に医師1万人に対して行ったアンケート調査では、8.7%の医師が抑うつ状態にあり、重篤なうつ病は1.9%という数値が出ています。
睡眠時間の短さや休日の少なさ、オンコールの頻度が高い医師ほど思いつめる傾向があると報告されています。

(参考元サイト:勤務医の健康の現状と支援のあり方に関する アンケート調査報告書

ここまで様々な調査結果と共に、医師のストレスを見て来ました。ストレスを抱えた医師の実態を目の当たりにすると、「医師の不養生」などという言葉では済まされません。

一刻も早く状況を改善し、ストレスを軽減することが望まれます。次の項目では、ストレスの解決の方法をいくつかご紹介しましょう。

 

ストレスを解消したいなら「転職」

最後に、ストレスを抱えた医師はどのようにすればよいのか考えてみましょう。

日本医師会では、医療機関に向けた7カ条と併せて「医師が元気に働くための7カ条」を提唱しています。

1. 睡眠時間を充分確保しよう 

2. 週に1日は休日をとろう 

3. 頑張りすぎないようにしよう 

4. 「うつ」は他人事ではありません 

5. 体調が悪ければ、ためらわず受診しよう 

6. ストレスを健康的に発散しよう 

7. 自分、そして家族やパートナーを大切にしよう 

(引用元サイト:医師が元気に働くためのの7カ条

恐らく医師にとって一番の優先順位は仕事であり、目の前にいる患者でしょう。

自分を頼りにしている病院や患者のために、精一杯尽くすのが医師の仕事だからです。

しかし、まず自分自身の限界に気づき、本当の優先順位を考えてみてください。

何を置いても大切なものは、自分の体と支えてくれる家族ではないでしょうか。

今の状況を変えるには、自ら積極的に動いてみましょう。

勤務体制について、病院側に掛け合うというのも1つの方法です。よき理解者を味方につけるのが良いでしょう。

また、自分が持っている強みを生かして、新たに挑戦することもできます。

これから専門医の資格を取得するなら、労働環境の良い医療機関を探してみましょう。今までのスキルを生かし、転科という選択肢も考えられます。

国内にはたくさんの医療機関があるため、自分に合った勤務先が見つかるかもしれません。

ストレスや過労で倒れてしまう前に、ぜひ一度、転職サービスやエージェントに相談してみてはいかがでしょうか。

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