転勤が嫌なら医局を辞めろ!?医師の転勤事情とその改善策    

最終更新日:2017.09.05
転勤が嫌なら医局を辞めろ!?医師の転勤事情とその改善策    

医局に所属する医師にとって、転勤は大きな悩みの1つです。

逃れられない現実を突きつけられ、頭を抱える医師も多いことでしょう。

ここでは、医局の医師が転勤をしなければならない理由と転勤後のキャリアやデメリット、転勤のない働き方の提案を紹介します。

実際に転勤を余儀なくされた医師の声も交えながら、転勤について考えてみましょう。

医師は転勤が多い?なぜ転勤するのか  

そもそも医局の制度は、明治26年(1893年)にかつての帝国大学(東京大学)がドイツの医学を手本にして医局講座制を導入したことが始まりです。

当初は第一~三内科、第一~三外科、産婦人科などの臨床系と、生理学、薬物学、法医学などの基礎講座を合わせた20の講座が開設され、当時16名の教授を中心としたピラミッド型の組織が成立しました。

管理が行き届く医局の体制は、現在も多くの機関で受け継がれています。

医局に所属する医師は、半年~数年のサイクルで関連病院への転勤が命じられます。

医師の人事権は医局長や教授が握り、通常の辞令は4月に出しますが、急な欠員の補充の際は時期に関係なく辞令を下します。

大学病院に勤務する医師の場合、30代~50代前半の期間は転勤がついて回るといって良いでしょう。

医局の規模に比例して関連施設が増えるため、転勤する先も多岐に渡ります。自分の希望に関係なく転勤先を指定され、家族やプライベートとの兼ね合いに悩む医師は少なくありません。

医師に転勤が必要な理由としては、様々な医療機関でたくさんの症例を診察し、キャリアを積んでもらう目的があります。

さらに、地方などの人手不足の関連施設に派遣するという理由もあります。

しかし、近年では従来の医局の形が変わりつつあります。

平成16年(2004年)の新しい臨床研修制度の導入により、出身大学以外の指定病院での研修が可能になったため、医局に入る医師が減少傾向にあります。

特に地方の病院では大学病院からの派遣ができず、医師不足が深刻な問題になっています。

また、最近では医師の意見を尊重する医局や、医局自体を設けない大学病院も増え、医局制度が崩壊しつつある状況は否めません。

 

転勤後の医師のキャリアパスは?診療科によって違う?

かねてから、医局に属してキャリアアップすることは医師として進む道の1つでした。

歴史があり大きな組織の病院ほどしっかりとした教育体制が整っており、症例数の多さから見ても経験を積むには格好の制度と言えます。

研究に身を投じ、海外留学をしたい医師にとっても、医局に所属している意味は大きいでしょう。

先に紹介したとおり、医局の医師は半年~数年のサイクルで転勤があります。

しかし、40代を過ぎると、だんだんと1つの病院への勤務が長くなり、副院長や院長へ抜擢されるという例もあります。

専門医の資格を得ると、転勤が減る傾向も見られます。

設置数が少ない眼科は、転勤も比較的少ない診療科と言えます。

反対に、産婦人科や小児科など、そもそも医師数が少ない診療科では人手が足りないため、転職の頻度が高い傾向にあります。

ある調査によると、医局の医師の転勤の頻度は4~6回が最も多く、次いで7~10回、2~3回という順になっています。

非常勤も含めると、10施設以上を経験している医師もいます。

ここで、転勤を経験した医師の前向きな意見を見てみましょう。

  • 様々な機関を経験でき、病院ごとの特徴が見られた
  • 施設ごとの考えを見聞きすると、視野が広がる
  • 地方の病院勤務や他の診療科も経験できたことは大きい
  • 手術の症例数を多く体験できるのは医局ならでは
  • 自分の意思を尊重してもらえ、目標を達成できた
  • 患者が信頼して転勤先にも付いてきてくれた

反対にデメリットの内容を見ると、転勤を余儀なくされた医師の悩みは切実であることがわかります。

  • 若い頃の異動は良いが、ある程度の年齢になったら落ち着きたい
  • 引越しの度に労力とお金が必要
  • 職歴加算ができないため、退職金が不利になる
  • 病状が気になる患者を続けて診られない
  • 家族のことを考慮すると転勤は辛い
  • 必ずしも居心地の良い病院とは限らない
  • 他大学の同診療科ではライバル心が芽生える

一方で、主治医が転勤してしまった患者側の意見はどうでしょうか。

実際のところ、多くの患者が「信頼していた医師が転勤するのはとても辛い」と答えています。

特に重篤な疾患と闘っている患者は残念な気持ちが強く、状況によっては転勤先まで転院してくる患者もいるようです。

 

転勤が嫌なら医師を辞めよう 転職の提案

ここまでで、医師は医局に所属している限り、転勤は避けて通れない現実であることがお分かり頂けたと思います。

特に家族を持つ医師にとって、転勤は大きな負担であると言えるでしょう。

医師が転勤をしないで働く、という方向はあるのでしょうか。やはり、これは医局を離れるより他ありません。

ある調査によると、退局した医師の7割以上が転勤や人事を理由に挙げています。

(参考元ページ:医師が医局を辞める時~「本気で辞めたい医師」への、正しい医局の辞め方

ただし、医局を去る際にはデメリットが伴います。

  • 再び大学病院に戻れない
  • 教授などのポストを得られない
  • 医局のブランドを絶つことになる
  • 大学院の進学ができず博士号が得られない
  • 海外留学のチャンスがなくなる
  • 場合によってはコネや人脈がなくなる

医局を辞めるには、相当な覚悟が必要だと言えそうです。

1人前の医師として働けるかどうか、人生のプランをどう立てるかなど、熟考してからの決断でも遅くありません。

退局後の働き方は、公立病院や私立の病院、個人のクリニックへの転職や開業、産業医として一般企業に転職する、などの選択があります。

専門医を取得しているなら、そのスキルを生かした転職先も多々見つかることでしょう。

退局する場合、引継ぎやその他で最低でも数ヶ月が必要です。4月の異動に合わせて転職するために、夏から準備をしている医師もいます。

医局を辞める決心がついた時には、すぐに情報集めから始めましょう。

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