医師が退職する際に気を付けること。どんなところに再就職してる?

現在の職場や働き方に満足していますか?
退職を考えたことがある人は少なくないのではないでしょうか。
医師が退職する理由や退職する際に気をつけること、再就職先などを紹介します。
医師の退職事情
医師が退職を考えるタイミングには傾向があります。
一般的には、初期臨床研修が終わる26歳、専門医や博士号の取得が見えてくる35歳、転職や退職をしても再スタートが利く40歳、将来を見据えて方向転換する45歳が多いといわれています。
医師が退職理由としては
- 給与などの待遇
- 過酷な労働
- 人事異動の不満
- 人間関係の悪化
- 仕事内容や責任
- 病院の体制
- 開業の準備
- 家庭の事情
- ヘッドハンティング
- 結婚・出産(女性医師)
などがあります。
しかし、実際に退職する際は、引き止められたり交換条件を提示されたりするケースもあります。
重篤な患者を見捨てられないという倫理的な理由や、医師不足で辞められないなどの現実的な状況からすぐに退職しにくい場合もあります。
さらに、退職によって人脈が途切る、最先端の医療技術から離れ、情報が入りにくいといったデメリットがあることも頭に入れておきましょう。
退職する際のポイント
不満があって退職する場合は一刻も早く去りたい思いが巡りますが、命を預かる医療の現場では仕事をおろそかにできません。
きちんと計画を立て、心遣いも忘れずに丁寧に進めましょう。
医療界は狭いため、情報が早く伝わることがあります。タイミングを見計らって、円満退職を心がけてください。
上司に退職の意向を伝えるのは、辞める3ヶ月前が理想と言われます。
法的には最低2週間ですが、医療機関では患者の引継ぎ業務があるため、余裕を持った行動をおすすめします。
雇用契約書にも退職や契約終了についての記載があるので、確認しておきましょう。
退職の件は同僚や他のスタッフにも伏せておき、行き先が決まってから報告するのが賢明です。
退職の理由は「一身上の都合」がベストです。詳しく聞かれた場合は「経験を積みたい」や「家庭の事情」「健康上の理由」などにしておき、不平不満を言うのは控えるべきです。
引継ぎは丁寧に行い、患者やスタッフへの挨拶も忘れないようにしましょう。尚、退職時には病院に返却するものや受け取るものなどがあります。参考に、以下にピックアップしました。
【退職時に返却】
- 健康保険証
- 身分証や名札、IDカード
- 名刺
- パソコンやUSB類の返却
- 事務用品など
- PHSや携帯電話などの通信機器
- 建物やロッカーなどの鍵
- 制服や白衣
- 通勤定期券
【退職時に受理】
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 退職証明書
- 離職票(就職先が決まっている場合は不要)
- 年金手帳(事務に預けている場合)
その他、使用していた机やロッカーなどは整理して掃除をし、私物はすべて持ち帰るのが社会人としてのマナーです。
退職後の医師の再就職先って?
最後に、医師が退職した後の就職先を見てみましょう。
他の病院に転職する場合もありますが、ワークライフバランスを重視して常勤から非常勤にする、ゆったりと働くために健康診断医などになる医師もいます。
また、自由診療の分野に進出する、老人保健施設や障害者施設の配置医師などになる例もあります。他にも、産業医の資格を取って働く、外務省の医務官として海外で活躍する、刑務所などの矯正医官に応募するなど医師の資格を生かすケースもあります。
一方で臨床を離れ、新たに活躍する場所を見つける医師もいます。数は少ないですが、実際にあった例を紹介しましょう。
- 「メディカルドクター」として製薬会社へ
- 「社医」「査定医」として保険会社へ
- 「公衆衛生医師」として保健所で働く
- 「医系技官」として行政に関わる
- 医療に関する研究機関へ
- 法医学教室で司法解剖を行う
- 知識を生かして医療機器メーカーへ
- 医療系専門学校の講師として
- トレーダーとして証券会社へ
- 医業経営コンサルタントとして
- MBA(経営学修士)を取得し起業
- 作家や政治家に転身
医師の資格や経験を生かせる場は多種多様です。
退職を決意し、思い切って医療の現場を離れるのは大変なエネルギーを必要とします。
将来のビジョンを明確にし、悔いのない人生を送れるように、入念な下調べと準備を行いましょう。
きちんとワークライフバランスを重視出来ていますか?