気を付けろ!医師臨床研修マッチングで研修医が知っておくべき事

最終更新日:2017.09.12
気を付けろ!医師臨床研修マッチングで研修医が知っておくべき事

これから臨床研修を受ける皆さんは、まず研修先の病院選びが待っています。

臨床研修マッチング制度を利用する場合は、気を付けたいポイントがいくつかあります。

ここでは研修医制度の概要や、マッチング制度についての説明、万が一第1希望にマッチしなかった際の対応や、後期研修についてまとめました。

積極的に準備を行い、実りのある研修期間を送りましょう。 

研修医制度について

ここでは研修医制度の内容と歴史を簡単に見ていきましょう。

医学部で6年学び医師国家資格に合格した後は、2年間の初期研修が義務付けられています。

希望する医療機関で選考試験を受け、主にマッチング制度を利用して研修先を決定します。

その後は一般的に後期研修期間とし、希望する科でさらに3~5年ほど専門的な内容を身に付けます。

初期研修と同じ病院で働く場合と、他の職場に変わる場合があります。

後期研修医になると一般的に「医師」として認められ、非常勤か常勤のどちらかで勤務します。

研修医制度は、元々「実地修練制度」として昭和21年(1946年)にスタートしました。

昭和43年(1968年)には「臨床研修制度」が施行され、国家資格に合格した後も2年以上の研修を受けることを勧めています。

その後、平成15年(2003年)に「医師臨床研修マッチング制度」が導入されました。

そして、平成16年(2004年)には「新医師臨床研修制度」が定められ、初期研修医の給与の設定などを行っています。

また、平成22年(2010年)以降はマッチング制度の見直しなどの措置を取っています。

厚生労働省の発表では、平成29年度(2017年)の研修医の募集定員は11,390人、研修医を受け入れる医療機関は1,031箇所で、前年度よりも増加しているとしています。

 

医師臨床研修マッチング制度って?

厚労省では、「医師臨床研修マッチング制度」について下記のように説明しています。

医師臨床研修マッチングとは、医師免許を得て臨床研修を受けようとする者(研修希望者)と、臨床研修を行う病院(研修病院)の研修プログラムとを研修希望者及び研修病院の希望を踏まえて、一定の規則(アルゴリズム)に従って、コンピューターにより組み合わせを決定するシステムです。

このシステムの運用は、医師臨床研修マッチング協議会が行っています。

コンピューターのシステムを利用し、医学部を卒業する学生の希望と研修病院側の希望が一致する組み合わせを決める方法です。

従来のやり方とは異なり、学生が希望を出せるという点に大きな意味があります。

  • 3月    :研修したい病院の見学に行く
  • 6月頃   :各病院へ願書・応募書類を提出
  • ~8月   :医師臨床研修マッチング協会ウェブサイトでID登録
  • 8月    :各病院で選考試験
  • 9月    :同ウェブサイトで、選考試験を受けた病院の順位登録・中間公表
  • 9月以降  :追加で選考試験を受けることも可
  • 10月下旬 :マッチング結果発表

まずは病院の見学から始まります。

高校や大学を選ぶ際も同様だったと思いますが、医療機関や先輩研修医の雰囲気というのは実際に見てみないとわかりません。

5、6年になるとポリクリで忙しくなるため、遅くとも4年には見学を開始して10箇所くらいは回りましょう。

病院の見学は随時受け付けていますが、春休みや夏休みは混雑するので、別の機会を選ぶこともポイントです。

見学時に他大学の友人ができ、お互い情報交換をし合って有意義に過ごせたという声も聞かれます。

マッチングに参加する研修病院では、ほとんどが試験と面接を実施しています。

応募要項の詳細は、研修を受けたい病院のHPなどで確認しましょう。

書類を郵送する場合は手紙を添えると丁寧な印象になります。

試験の内容は各病院によって異なり、通常の面接ではなくOSCEに近い内容を行う所もあります。

面接の時点で「1位に書いてください」という条件で内定を出す医療機関もあるようです。

9月には中間公表が行われ、他の学生の動向がわかります。

中間公表を見てから登録の順位を変えたり、新たに病院の選考試験を受けたりすることもできます。

尚、初期臨床研修を受ける際は、必ずしもマッチング制度を利用しなくても構いません。

その場合は、研修医マッチング制度に参加していない医療機関を選んで受験します。

さらに、マッチングの結果発表が行われた後、空きがある医療機関を調べて受験もできます。

これは、まずマッチングに参加している学生と医療機関の間で決定し、すべて終了してから参加していない学生の受け入れを行うためです。

 

希望する医療機関にマッチングされないことも

マッチング制度では、残念ながら全員が第1希望の病院に行けるとは限りません。

第2希望、第3希望の病院に配属される場合もあり、どこにも決まらず「アンマッチ」というケースもあります。

マッチングで決まった研修病院は辞退することができないため、意に沿わないと悲観する人も多くいます。

万が一アンマッチだった場合は、空きが出ている2次募集を受けるか、国家試験の後の3次募集を待つという方法があります。

または、マッチングに参加していない病院の試験を受けることもできます。

では、マッチングで良い結果を勝ち取るにはどうしたらよいのでしょうか。

希望の病院を1箇所に絞らない

母校だからと安心していると、思わぬ結果になることがあります。

 

病院の希望する人材をよく調べておく

一般病院に「救急の現場でテキパキ働きたい」とアピールしても採用の可能性が低いので、「幅広い症例をたくさん経験したい」などと伝えるのが良いでしょう。

 

準備を怠らない

病院の見学は早めにスタートし、面接や試験の内容もできるだけリサーチしておきましょう。病院の知名度やイメージ、年収だけで決めると後々後悔することがあります。

 

マッチング制度は学生側の希望が反映される画期的なシステムで、将来を熟考する良い機会と言われています。

しかし、必ずしも自分の希望通りにならないため、失敗して「負け組」などとレッテルを貼り落ち込む学生も多くいます。

むしろ、アンマッチになり改めて進む道を考えたところ、視野が広がって自分に合う病院が見つかったという経験談もあります。

ぜひ気持ちを切り替えて、前向きに進んでください。

もっとも、第1希望にマッチングしたからといって卒業試験や医師国家試験を失敗したら意味がありません。目の前の事柄を1つ1つ丁寧にこなしていきましょう。

研修医の多くは「もっと早い段階から準備をすればよかった」と考えているため、早めのスタートを切ることが賢明と言えます。

 

では後期研修医の場合は?

初期の研修を終えた医師の次のステップは、大きく分けると5つです。

  • 大学の医局に籍を置き、大学病院や関連施設で後期研修を受ける
  • 大学院に通いながら後期研修を受け、博士号取得を目指す
  • 医局には在籍せずに民間の医療機関で後期研修を受ける
  • 初期研修のみ行い医療機関に就職する
  • 臨床以外の道へ進む

臨床以外では、研究を目的としたり、産業医として働いたり、一般企業に就職したりするケースです。女性医師の場合は、結婚や出産で現場から遠ざかることもあります。

また、一旦医療機関に就職し、年数を経てから後期研修先を探すという場合もあります。

後期の研修先は、初期と同じ病院の場合もありますが、異なる医療機関を探す研修医が多い傾向にあります。

後期の研修先を探す際には、全国で統一されたマッチングのようなシステムはありません。

一部の独立行政法人がサービスを行っていますが、登録されている医療機関の数が限られています。

したがって、自分で研修先を探すか、転職サイトやエージェントに登録して有力な情報を集めるか、の2つが主な手段になります。

後期研修の期間は、より専門的な内容を身につけていく大切な時期です。

将来のビジョンを明確にし、入念に下調べをして探しましょう。初期と同様に、実際に見学に行き現場の空気を感じることもおすすめします。

自分1人での情報集めが難しい場合は、専門のエージェントの力を借りるのも1つの方法です。

研修医制度について説明してきました。経験を積むための貴重な研修期間は、ぜひとも有意義に過ごして欲しいものです。

まずはマッチング制度の内容や流れを理解し、研修病院の見学の準備をしましょう。研修期間に積み上げたことに自信を持ち、本採用後も素晴らしい医師として活躍できるよう応援しています。

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