研修医の転職はアリかナシか 後期研修医のオススメ転職How to

最終更新日:2018.02.22
研修医の転職はアリかナシか 後期研修医のオススメ転職How to

晴れて初期研修を修了し、後期研修がスタートしたのも束の間、「研修先が自分に合わない」「激務がこたえる」などの理由で転職を希望する研修医もいます。

実際のところ、研修医は転職ができるのでしょうか。ここでは後期研修中の研修医の転職について考え、アドバイスや転職を進める際の方法などをまとめましたので参考になさってください。 

研修医制度を振り返ってみよう

医学部で6年間学び、晴れて医師国家資格を得ると「前期(初期)臨床研修医」として指定された医療機関で2年間の研修が義務付けられています。

初期研修医は、ローテートという形で各科を回ります。

指導医の指示に従って、朝早くから病棟の回診やカンファレンス、カルテの記入、外来や手術の手伝い、勉強会などと目まぐるしい1日を送ります。

初期研修を終えると、多くの医師は3~5年ほど「後期臨床研修医」や「専修医」として希望する科でより専門性を高めていきます。

後期研修医は一般的に「医師」として認められ、前期研修医の指導や外来の担当、専門医取得のための研修などさらなるハードワークをこなします。

後期研修医の年収は平均400万円~500万円台と言われており、アルバイトが可能な場合は700万円~1,000万円に上るケースもあります。

元々研修医制度は、昭和21年(1946年)に「実地修練制度」として創設された後、昭和43年(1968年)に新しく「臨床研修制度」が導入されたことから始まりました。当時の研修医はほとんど無給に近い状態で働いていたと言われ、アルバイトを兼務して体調を崩す例も多かったと聞きます。

平成15年(2003年)からは「医師臨床研修マッチング制度」が導入され、研修医側からも医療機関を選べるようになりました。

さらに平成16年(2004年)に導入された「新医師臨床研修制度」では、前期研修医の給与は「月額30万円以上」を推奨しており、原則としてアルバイトを禁止する条項を定めています。

しかし、マッチング制度が施行されてからは研修医の配属される医療機関に偏りが目立ったため、平成22年(2010年)には都道府県別の募集人員に制限をする措置をし、平成27年(2015年)からさらなる見直しを行っています。

厚生労働省の資料によると、平成29年度(2017年度)の研修医の募集定員は11,390人、研修医を受け入れる医療機関は1,031箇所に上り、どちらも前年度より増加しています。

気になるのは、2018年4月からスタートする「新専門医制度」の影響です。専門医を取得するには、基幹施設や関連施設、認定施設での研修が必要となりますが、該当施設は非常に限られます。

 

研修医でも転職は出来る?

研修医の転職は認められていますが、初期研修中の転職は現実的ではありません。

初期研修では数ヶ月ごとに配属される科が変わっていくために、やりやすく居心地の良い科もあれば、自分に合わず居づらい科もあります。

医師として一人前になる期間のため、先輩医師や看護師による厳しい指導に参ってしまう医師もいます。

ただ、初期研修先を退職してしまった場合、他の初期研修先を探すことの難易度は高く、医師として働くことができなくなってしまう可能性もあるので、この期間は一人前の医師になる鍛錬としてなんとしても乗り越えて欲しいところです。

3年目の後期研修になれば、医療機関を自分で選んで選考試験を受けられます。医局に入って関連病院に勤務するか、医局に入らず市中病院で働くか考えましょう。ただし、人数の関係から必ずしも希望の病院に入れない場合もあります。また、専門医取得を目指すなら「新専門医制度」での認定施設で研鑽を積まなければなりません。

また、後期研修で転職を考える医師が一定数いることも事実です。平成17年(2005年)に厚生労働省が実施した「臨床研修病院及び臨床研修医に対するアンケート」では、大規模病院にいる研修医ほど「満足していない」という回答率が高くなっています。

研修の体制やプログラムに対しては研修医の全体の約3割が不満と答え、大学病院の研修医では4割に上っています。さらに、待遇については全体の4割近く、大学病院では5割近くが不満と回答しています。

とはいえ、医療機関側も環境づくりに尽力しています。

研修期間中の度重なる転職は良いイメージを持たれないため、短くても2~3年は一箇所に留まることをおすすめします。

物足りない場合は研修後の時間を有効に使ったり、その施設でしかできない業務などをじっくり考えてみたりと、有意義な研修になるよう積極的に工夫してみましょう。

 さらには、新専門医制度下での専門医取得を目指す場合は、認定施設は非常に限られます。地域によっては、転職をしたいけど、自分が専門医取得を希望する科目での認定施設は今いるところだけ・・・などということも想定されます。

研修医が転職する為の方法、転職による影響

それでは、実際に研修医が転職をするにはどのようにしたら良いのでしょうか。

後期研修医の進路としては、医局に残って教授をトップとする組織の中で研鑽を積むか、市中病院で勤務しながらスペシャリストとなるか、リーダーや院長を目指すか、はたまた開業を目標にするかといった、さまざまな選択肢があります。とはいえ、専門医取得を目指すのであれば、それが第一に行うべきこととなります。

後期研修期間は将来に向けて臨床経験を積み、確実に力を付けていく期間ですので転職先も慎重に選びましょう。専門医取得を希望していたのに、転職先が認定施設でなかった・・・などという事態になっては元も子もありません。さらには、研修中に短期間で転職を繰り返すと知識や技量が身につかないだけでなく、医師の経歴としてイメージがよくありません。

年収や地理的な要因だけで決めず、「専門医取得」などの明確な目的を持って職場探しを行うことが大切です。説明会や見学会を実施している医療機関もあるので、実際に足を運んでみるのも1つの方法です。

しかし、自分で情報を集めるのには限界があります。

医師専門の人材紹介会社や転職サイトを利用すれば良い条件の職場が見つかるだけでなく、経験豊かなエージェントがサポートしてくれ、不安や疑問にもていねいに対応してくれます。

まだ経験が少ない研修医は病院側としてもリスクが高いため、受け入れてくれる箇所は限られることを覚えておきましょう。

転職エージェントのサポートを受けながら、「後期研修医募集」と掲げた求人を効率よく探してみてください。研修後に本採用とされるケースもあるので、将来を見据えた転職をおすすめします。

 

転職を考えた事がある研修医はいる

実際に後期研修期間に転職している医師は多数います。転職した体験談の一部を要約しました。ただし、いずれも新専門医制度開始前の例であることはご留意ください。

  • 男性医師
    症例の経験を積もうと入った後期研修先で理不尽な対応を受け、精神的に追い詰められる。体調を崩し、続けられなくなったために転職を決意し、人材紹介会社に登録したところ専門医取得ができる好条件な職場を紹介された。
  • 男性医師
    研修中は張り切って臨んでいたが、人間関係がうまくいかず中断。再度研修をスタートさせたいと思いつつも、中途半端な状態に自信が持てずなかなか動き出せない。思い切って人材紹介会社に登録したところ、担当のエージェントが自分の性格も考慮しながらぴったりの研修先を紹介してくれた。
  • 女性医師
    研修と結婚・妊娠が重なり、つわりで体調が思わしくない中なんとか前期研修を終えた。出産のブランクを経て後期研修の応募を考えるが、方向性が見出せず不安を抱える。人材紹介会社に登録し、エージェントに相談しながら自分の想いを整理したところ、希望に合った研修先が見つかった。

転職の体験談を一部紹介しました。

医療の現場は思いの他狭いので、将来どこで繋がるかわかりません。

トラブルで転職を余儀なくされた場合でも、「嫌だからやめる」ではなく「自分の専門性を高められる場所へ行く」などと気持ちよく去ることも心がけておきましょう。

研修期間は、医師としての基礎を固める大切な時期です。人材紹介会社のエージェントと共に将来を見据え、自分に合った職場探しを行いましょう。

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