精神科の開業医の年収っていくら? 需要が大きい精神科医の開業事情

最終更新日:2017.09.12
精神科の開業医の年収っていくら? 需要が大きい精神科医の開業事情

現代社会では、学校や職場などさまざまな場所でストレスを感じている方が多いのではないでしょうか。そのようなストレスを要因とした「こころの病」を患う患者が増加しております。

そんな「こころの病」を診療し、患者の社会復帰をサポートするのが精神科医の主な仕事になります。

精神疾患患者の増加から精神科医のニーズは非常に高まっており、その勤務内容から医師からも注目されています。患者・医師双方で人気な診療科と言えるでしょう。

また、こういった精神疾患患者増加の流れから地域に密着した精神科のクリニックや医院を開業する医師も増加する流れもあります。

本記事では精神科の開業医の年収について説明していきたいと思います。

精神科の開業医の平均年収

精神科は近年の精神疾患の多様化に伴い、確実にニーズが増えている診療科であると言えます。

10人に1人が一生のうちに1度、精神科の領域の疾患を患うことがあると言われています。

精神科医の平均年収は弊社調べによると、1,500万円程度であることがわかりました。

単純計算で月収に換算すると月に90万円〜100万円の月収を得ることができると考えられます。

 

以下のグラフをご覧ください。こちらは弊社サイト「Dr.転職なび」の掲載求人の年収上限金額を度数分布で表したものになります。

精神科医 年収 上限

このグラフから年収1,401万円から年収1,600万円を上限とする求人が37%と最も多く、精神科の平均年収1,500万円程度を上限とする求人が多いようです。

次に年収2,000万円以上を上限とする求人が33%と多いことから精神科医で年収2,000万円以上を目指すことは不可能ではないという事が分かります。

しかし、年収2,000万円以上を得ている医師は非常に高い医療スキルを持っているなど、稀なケースが多いため、不可能ではないが、非常に難しいと把握しておくべきでしょう。

 

次に年収の下限金額を表したグラフを見てみましょう。

精神科 年収 下限

こちらのグラフからは年収1,000万円以下を下限とする求人が40%と最も多く、条件によるとは思いますが、年収1,000万円以下になってしまう場合も香料しておくべきでしょう。

ただ、あくまで掲載求人の年収下限であるため、必ずしも年収1,000万円になるわけではありません。

次に多いのが年収1,401万円から年収1,600万円の30%で、この割合と上記のグラフから転職によって精神科の平均年収1,500万円を得ることは難しくないでしょう。

年収1,601万円以上を下限とする求人は非常に少ない事から転職してすぐに高年収を得られる可能性は低いと考えて良いでしょう。

 

精神科の地域別の平均年収について見ていきましょう。

精神科 地域別

関東・関西・四国に関しては平均年収が1,500万円以下となっていることが分かります。

都市部は医院・クリニックが非常に多い事から精神科医が非常に多く、それぞれの医院・クリニックが他地域に比べて上手く集患出来ていないため、年収が他地域に比べて低いと考えられます。

それ以外の地域では平均年収が1,000万円を超えており、都心部と比較して精神科医が不足している可能性があると考えられます。

特に北海道の精神科の平均年収が高いので、勤務地にこだわりがなければ北海道での勤務がおすすめかもしれません。

 

最後に精神科の地域別の求人数を見ていきましょう。

精神科 求人数

やはり最も精神科の求人数が多いのが関東の24%で、次いで九州の20%、関西・中部の16%となっています。

関東・関西などの都心部の求人が多いことがわかり、平均年収が最も高かった北海道が1%と最も求人数が少ないことが分かります。

北海道の精神科の求人は年収は高いが、勤務条件など希望に合った求人を見つけるのは困難かもしれません。

QOLや年収以外を重要視する場合は関東や関西、中部など求人数が多い地域で絞ってみるのも良いかもしれません。

 

次に精神科の開業医についてですが、2009年の厚生労働省「医療実態経済報告」によれば、開業医の年収は勤務医の年収の約1.7倍というデータが出ています。

そのデータから想定される精神科の開業医の年収は、2,000万円~2,200万円程度となります。

ただし、こちらの年収はあくまで単純計算によるため、実際の精神科の開業医の年収と差があるかもしれません。一つの指標として参考程度に見ておきましょう。

 

精神科医は高年収?その理由とは

精神科の勤務医の場合、外科系の診療科と異なり一部の急性期精神科病棟を持つ医療機関以外は比較的緊急性の高い処置の必要がないため、体力面での不安は無いように思え、一見精神科医が高年収である理由が思い浮かばない方もいるかもしれません。

しかし、精神科医として自立するためには、国家資格である「精神保健指定医」の取得が必要となります。

精神保健指定医を申請するためには、5年以上の医療実務経験(3年以上の精神科実務経験)のほか、厚生労働大臣が定める精神科臨床経験が必要です。

こうした狭き門を通ってきた精神科の医師だからこそ、高年収が実現できる”と聞けば、納得がいくのではないでしょうか。

 

なぜ精神科医の開業は増えているのか

実は、現在は精神科の開業は相次いでいる状態です。

厚生労働省の医療設備数調査によりますと、今から30年前では精神科の診療所の数は1,425施設であったのに対して、2014年では6,481施設に大幅に増加しています。

これは現代の日本社会にニーズがあることが一因でもありますが、新しく医師となった人がこのニーズを考えた上で精神科を選び、精神保健指定医を取得する医師が増えたことも理由の1つとなっています。

また、精神科の場合、医療機器を多く揃えなければいけない診療科と比較すると、医療機器が少なくて済む事から、比較的容易に開業しやすいことも挙げられます。

開業資金としては他の診療科より安く済みますが、それでも2,000万円程度は必要となってきます。

開業してからは、患者さんの数が増えるまでに時間がかかりますので、一時的に収入が下がることも考慮した上で、勤務医のうちにあらかじめ貯蓄をしてから開業することをお勧めします。

 

精神科を開業するにあたって必要な事や気を付けなければならない事

精神科の勤務医が開業するにあたって必要な事や気を付けなければならない事は一体どのような事でしょうか。

まず、精神科という診療科においてよく聞くのは、精神面に問題があり受診している患者さんが多いため、精神科医自身が精神的に患者さんの話を聞くことに疲弊してしまうことがあるということを見逃してはなりません。

精神的に不安定である患者を相手にする診療科なため、担当する患者さんが自殺や自殺未遂をする可能性や、ショッキングな事件を起こしてしまう可能性もあるため、自分自身のメンタルケアを欠かさないことが重要となってきます。

そのため、医師であれば誰もができる診療科というわけではなく、精神科医の適性がないとできない診療科であると言えます。

また開業にあたっては、これはどの診療科にも言える事なのですが、開業資金の調達は非常に重要です。

医師は医療知識や技術を身につけることに時間を割いていますので、経済的な面や経営的なことがあまり得意ではない方もいると聞きます。

開業となると、勤務医時代とは異なり、経営がかかってきますので、患者さんが受診してくれないことには、自分の開業したクリニックや診療所が回っていかなくなってしまいます。

そのためには的確なマーケティング調査などを行う必要があると考えられます。

具体的には、精神科は自殺が多かったバブル崩壊の時期及び、リーマンショックの時期に開業が相次いでおり、地域によっては一部開業医の飽和状態であるエリアがあります。

開業するにあたり、どのエリアに精神科を開業することが有益であるかきちんと調査をしてから開業の手順を取らないと、患者さんが定着せず、経営困難に陥ってしまう可能性も考えられます。

また、精神科の開業になりますので、落ち着いた雰囲気の場所やリラックスできるような院内環境整備などにも配慮する必要があるでしょう。

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